宇都宮LRT認可、近隣構想を後押し 地元経済界期待高まる

2016/9/27 7:00
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石井啓一国土交通相は26日、宇都宮市と栃木県芳賀町が2019年12月の運行開始を目指すLRT(次世代型路面電車)事業を認可した。約15キロメートルの全線を、全国で初めて新設する。総事業費は約458億円でうち220億円超を国が負担する見通し。構想23年で実現目前となり、地元経済界では期待の声が高まる。近隣各地のLRT構想にも追い風となりそうだ。

26日の国交相認可は、LRTの事業計画にあたる「軌道運送高度化実施計画」への認定が柱だ。施設の整備・保有を宇都宮市と芳賀町が担い、第三セクターが運行する「上下分離方式」が認められるとともに、軌道法の事業特許も取得した。市によると路面電車新設での特許は全国で約70年ぶりという。

宇都宮市の佐藤栄一市長は「大変ありがたく、喜ばしい」とコメント。市や芳賀町を支援する栃木県の福田富一知事も「事業着手に向けて大きな弾みとなるもの」と歓迎する意向を表明した。

経済界では、民間からLRT構想を後押ししてきた宇都宮商工会議所の北村光弘会頭が「まずは大きな関門を乗り越えた」と指摘。三セクに5%を出資する足利銀行の松下正直頭取は「地域公共交通の活性化とコンパクトシティーを適切・確実に推進するための大きな一歩だ」と評価した。

栃木県経済同友会の中津正修代表理事は「人口減で労働力として期待がかかる高齢者の移動手段」として経済効果を見込む。宇都宮市などに対しては「(JR宇都宮駅前や沿線の開発が)遅れれば遅れるほどLRTの整備効果が薄れる」として積極的な対応を求めた。

今回の認可は宇都宮駅から東側の区間についてだが、中心市街地がある西側への延伸期待も高まる。宇都宮中心商店街活性化委員会の斎藤公則理事長は「駐車場も少なく(商店街に人を呼ぶには)バスだけでは弱い」と指摘。LRTときめ細かなバス網の組み合わせで、中心市街地への移動がしやすくなると見込んでいる。

北関東でもLRTの導入を検討する自治体は少なくない。その一つ、栃木県小山市は「新交通システムを検討する自治体にとって、先導的な事例となる」と評価する。

前橋市のLRT構想も、市が来年度までにまとめる「地域公共交通網形成計画」に盛り込まれる可能性が大きい。同市の山本龍市長は「交通弱者の移動手段をどう担保するかという課題は宇都宮市と同じ」と話す。

ただ、実現には採算性や道路改良計画との整合性など検討すべき点もあり「LRT以外にも、研究が進む自動運転車などいろいろな可能性を模索していきたい」としている。

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