千葉銀と武蔵野銀、事業承継ファンド設立へ
千葉銀行と武蔵野銀行は26日、各行傘下のベンチャーキャピタル(VC)と共同で、事業承継ファンドを設立すると発表した。ファンドが投資先の中小企業の株式を一時的に所有し、事業の円滑な引き継ぎに備える。両行の地盤で共通の経営課題を持つ企業の支援により、増加する事業承継への対応ノウハウを両行で積み上げる。
2016年3月に結んだ資本・業務提携の一環。傘下のちばぎんキャピタル(千葉市)とぶぎんキャピタル(さいたま市)も参加し、10月5日に「千葉・武蔵野アライアンス1号投資事業有限責任組合」を立ち上げる。総額は30億円。両行が14億7千万円ずつ、残りを両VCが半分ずつ出資する。
存続期間は10年間。両行が取引先企業を両VCに紹介し、出資を判断するしくみ。後継者による株式の買い戻しやM&A(合併・買収)による第三者への事業売却の準備などにかかる時間の猶予をつくる。ファンドが株主となることで、出資先企業のガバナンス強化に積極的に関われるようになる。
高齢化に伴い事業承継は全国で課題となっている。提携関係を生かして両VCで出資判断のノウハウを蓄積し、柔軟な事業承継支援につなげる。