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台風被害の岩泉ヨーグルト、10月販売再開

2016年8月の台風10号豪雨で被災した岩手県岩泉町の岩泉乳業は25日、主力商品「岩泉ヨーグルト」を10月上旬に販売再開すると発表した。ヨーグルトは全国にファンをもつ商品。3工場すべてが浸水し、操業停止に追い込まれてからは各地から支援が寄せられた。約1年1カ月ぶりの復活に、関係者からは「奇跡だ」との声が上がっている。

同日、山下欽也社長が伊達勝身町長とともに達増拓也知事を表敬訪問し、経過を報告した。伊達町長は「地場産業である岩泉乳業に大きな支援をいただいた。皆さまに感謝したい。13カ月で復活できたのは奇跡だと思う」とあいさつ。試作品を試食した知事は「この滑らかさともっちりとした感じ。懐かしさがこみ上げてくる。消費者も待ちかねているだろう」と笑顔を見せた。

販売はまず県内のスーパーなどへの出荷から始め、県外へは11月、インターネットでの販売は12月に対応するとしている。

ヨーグルトは地元産の牛乳を2日間、低温で発酵させて作る。もっちりとした食感と濃厚な味わいが人気で、被災前は生産が追いつかないほどだった。だが台風で工場がすべてダメになった。外壁約3メートルの高さに泥水の痕があった。玄関にはプレハブや流木が突き刺さっていた。山下社長は「もうダメだ」と諦めかけた。社長に就任して8年、約3億円あった累積赤字を解消したばかりだった。

再建を後押ししたのは従業員50人と、全国のファンの存在だった。「従業員を路頭に迷わせる訳にはいかない。多くのファンの応援にも応えたい」(山下社長)。

16年11月、国の補助金が決まり、今年1月から新たな工場の建設が始まった。完成した新第2工場は鉄骨造2階建てで、延べ床面積約1800平方メートル。製造過程を見学できる。総事業費は約29億円。「急いで建設してくれた作業員の方にも感謝したい」(同)。本社工場が復活する11月末には以前と同じ、1日当たり12.8トンのヨーグルトを製造できる。

9月30日、感謝の思いを込めて「岩泉ヨーグルト工場まつり」を開く。工場に隣接する広場を会場に、一足早く1キロ入りのヨーグルトを特別価格で提供する。3000~5000個用意するという。

山下欽也社長は「忘れることのできない1年だった。この経験をこれから先に生かしたい。そして以前よりもおいしいヨーグルトを届けたい」と話している。

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