2016年の道の輸出、7年ぶり減少 鉄鋼・ホタテ失速

2017/1/26 7:00
保存
共有
印刷
その他

函館税関が25日発表した2016年の北海道外国貿易概況(速報値)によると、輸出額は15年比24.9%減の3710億300万円となり、7年ぶりで減少した。魚介類のホタテや鉄鋼の不振が主な要因だ。輸入額は26.8%減の9043億2200万円で3年連続のマイナスだった。原油の国際価格の下落で円建て輸入金額が落ち込んだ。

輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支にあたる輸出入差引額は5333億1900万円の赤字(15年は7417億6100万円の赤字)だった。

輸出を品目別にみると、落ち込みが目立つのは鉄鋼だ。輸出額は15年比46.1%減の425億5900万円だった。管・管用継ぎ手の不振が主因。日本製鋼所室蘭製作所(室蘭市)は昨年初頭まで中央アジアの天然ガス設備向けにクラッド鋼管を輸出していたが、「大型プロジェクト向けパイプの出荷が無くなった」(広報担当)ことなどが影響した。

新日鉄住金室蘭製鉄所(同)も鉄の棒や線の輸出を減らしている。ただ「国内向けに回しているため輸出が減った。輸出需要が落ち込んだわけではない」という。

魚介類・同調整品も低迷し、輸出金額は15年比15.0%減の585億3900万円だった。15年まで輸出をけん引してきたホタテの減少が背景だ。昨年に北海道を襲った台風被害で産地の噴火湾のホタテ生産が落ち込んだ。

北海道産ホタテは主に中国で加工されて米国で消費される。15年まで米国向け需要が堅調で価格も上昇してきた。北海道漁業協同組合連合会(札幌市)によると、「ホタテに割高感が強まり、昨年は中国の買い控えが広がった」という。

船舶も減少した。造船会社の函館どつく(函館市)はばら積み船を積極的に輸出してきた。16年は15年比1隻少ない5隻を輸出した。世界経済の低迷で原材料を輸送する船が余っている。加えて、「新造船の受注単価も下がっている」(総務部)という。

一方、輸入では原油・粗油の落ち込みが大きい。15年比39.3%減の2098億1700万円だった。出光興産は北海道製油所(苫小牧市)で原油から石油製品を精製している。数年ごとに行う定期修理があって原油の輸入量が減ったうえ、「国際的な原油価格の下落と円高で輸入金額も減少した」(出光興産広報課)という。原油価格の下落を受けて石油製品も減少した。

主要官署別では、輸出入ともに1位は苫小牧、2位は室蘭で合算すると、全体の7割を占める。

函館税関が同日発表した昨年12月の輸出額は384億4200万円と前年同月比10.2%減った。輸入額は同5.8%減の1007億8800万円だった。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]