秋田県湯沢市、白井晟一氏が設計した庁舎の解体決定

2016/8/23 7:00
保存
共有
印刷
その他

秋田県湯沢市は22日、戦後を代表する建築家の白井晟一が手掛けた湯沢市役所雄勝庁舎(旧雄勝町役場)の解体を最終決定し、市議会全員協議会で説明した。老朽化を理由に解体の方針を固めた市に対し、保存活用を求める市民団体が起業家のシェアオフィスに改装する案を提示。市側の最終判断が注目されていた。

市は9月市議会に提出する補正予算案に解体費約6380万円を計上する。可決されれば12月をメドに解体を始める。

同市企画課によると、保存活用を求める「白井晟一 湯沢雄勝6作品群を遺(のこ)す会」が5日に示した案について、市は「資金と中長期的な安全対策、組織作りの3点で解体方針を撤回するほどの実現性がみられない」と判断した。

同会は初期投資を900万円に抑えてクラウドファンディングなどで賄い、年間約390万円の維持費にオフィス賃料を充てる案を提示。すでに7社が入居を希望しているというオフィスを中心に、活性化や交流の起点に活用する計画だった。

同会メンバーで不動産リノベーション(大規模改装)などを手掛ける東北物産(秋田市)の深沢功社長は「20年分の資金計画も作っていたが、(詳細な提示を)要求されないまま実現性が低いとは納得できない」と反発。「予算案の採決までに市民や市議に働きかけたい」としている。

同庁舎は1956年の建設で、2階が張り出した独特の外観と重厚感ある赤いレンガ造りが特徴。白井の代表作の一つとされ、白井は同庁舎を含む一連の作品で61年に高村光太郎賞を受賞した。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]