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夕張市、地域再生に113億円 市営住宅再編や診療所改築

夕張市は22日、2017年度からの財政再生計画を見直し、10年で総額113億円の事業を進める方針を明らかにした。財政再生団体からの脱却後を見据えた人口減対策として、市営住宅の再編に年5億円を投じるほか、市立診療所の移転改築に20億円の事業費を見込む。ただ、なお200億円近く残る借金の返済と両立するには、さらなる市の自助努力と国による支援策が欠かせない。

全国唯一の財政再生団体の夕張市と道、国の3者は昨年10月、財政再建を優先する市の財政再生計画を見直すことで一致。今後10年の再生計画に総額100億円規模の事業を持ち込む方針を決めていた。

国は市の事業の支援策として、17年度以降に特別交付税を配分することを表明している。市は今回詳細を明らかにした再生計画の見直しについて、3月上旬にも総務相から同意を得たい意向だ。

「実質的に財政再生団体から脱却する年にしたい」(鈴木直道市長)として市の見直し計画には、財政再建後に地域を維持するための公共事業を多く組み込んだ。市営住宅の老朽化などのインフラ不備もあって人口流出が続いており、人口減対策を強化する。

地域再生事業として46項目を掲げ、そのうち35項目は17年度から着手する。目立つのは老朽化した施設の新設や改修などの公共事業だ。

認定こども園の建設や民間企業による低家賃住宅の建設支援は、子育て世帯に市内に居住してもらうための施策に位置づける。2子目以降の保育料無料化や中学生までの子どもの医療費無料化などのソフト事業も盛り込んだ。鈴木市長は「子育て世代が少ないため、まちの持続性のために子どもに投資しなければいけない」と強調した。

ほかの自治体より高水準だった市民税や軽自動車税についても従来より軽減する方針だ。平均15%だった市職員給料の削減幅も9%に縮小する。

これだけの事業を進めるための財源について、特別交付税など国からの支援は欠かせない。そこで市は「できることを最大限する」(鈴木市長)として、昨年度末時点で40億円ほどある基金の取り崩しを進める。

また、個人版と企業版のふるさと納税を利用するほか、今月に元大リアルエステート(東京・墨田)との間で総額2億2000万円で契約した観光4施設の売却益も事業のための財源として位置づける。

夕張市は10年前に353億円の借金を抱えて財政破綻し、国の管理のもとで財政再生を目指してきた。財政再生計画は実質20年間で借金をゼロにする計画で、今年度末までには当初の借金のうち116億円を返済する。

ただ、財政再建の優先で住民サービスが低下。人口は計画開始当初の約1万2600人から今年1月には8600人まで減少している。

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