小池都知事、豊洲移転を表明 築地も再開発
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東京都の小池百合子知事は20日、臨時記者会見を開き、築地市場を豊洲市場に移転した上で築地跡地を再開発する方針を正式に表明した。築地跡地は売却せず、食文化や観光の拠点などとして有効活用する方針だ。市場移転が決まらないために停滞していた五輪道路の建設など街づくりも再始動する。
小池知事は(1)「築地は守る、豊洲を活かす」(2)豊洲はIT(情報技術)を活用した総合物流拠点とする(3)都民の信頼回復に徹底的に取り組む――の3つの基本方針を発表した。
豊洲市場について、知事は「新たな中央卸売市場としての機能を優先させる」と明言。「その上で物流の機能をさらに高めていく」と話した。羽田・成田の両空港へのアクセスが便利な立地をいかし、従来の市場機能のうち転配送や市場外流通の役割を維持・発展させる。新しい冷凍冷蔵設備を備えた豊洲は、2020年からの新しいフロン規制に対応した業務用冷凍冷蔵庫の更新需要を満たせるとみている。
築地市場は5年後をメドに再開発する。20年五輪までに跡地に幹線道路の環状2号を開通させ、当面は五輪用の輸送拠点として活用する。大会後は「食のテーマパーク」として発展させる。
ただ豊洲、築地とも具体的な利用案は示さなかった。今後、都民の意見を募りながら検討するという。豊洲の開場時期などについても言葉を濁した。「詳しい日程は市場関係者と話を詰めていかないといけない」などと述べるにとどめた。
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