小湊鉄道、安全対策に12億円、高速バスに自動ブレーキ

2016/12/21 7:01
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小湊鉄道(千葉県市原市)は20日、2017~18年度に総額12億円を投じ高速バスの安全対策を進めると発表した。先行車との距離が急に縮まった際の自動ブレーキを全ての高速バス車両に導入するのが柱。高速バス乗務員の脳ドック受診も義務化する。事故のリスクを最小化し、利用が伸びている東京や横浜方面の路線拡大につなげる。

ハード・ソフト両面で安全対策を強化する。ハード面では全車両に自動ブレーキと走行中に車線から逸脱しそうな時に運転手に警報で知らせるシステムを搭載する。自動ブレーキは衝突の危険をカメラやレーダーで察知し、ブレーキをかけて衝突を回避する仕組みだ。

同社の高速バスが9月、東京湾アクアライン上で運転手の脳出血により物損事故を起こしたことを踏まえ、高速バス51台に観光バスの一部を加えた計63台に取り入れる。

車内外に取り付けるドライブレコーダーの導入も進める。通信機能を備え、バスジャックが起きた際に運行を管理する営業所へ車内の映像を伝送できる。木更津市内には車両の整備工場を新設する。これまでは定期点検の度に千葉市内の工場まで移動していたが、木更津発着路線の増加に合わせ整備体制を整える。

ソフト面では高速バスの乗務員全員に年1回の脳ドックの受診を義務付ける。脳疾患を早期発見し、運転中のトラブルを未然に防ぐ。乗務員の負担軽減に向けて16年度中に20人の運転手を新規採用して350人体制に拡大するほか、契約社員の正社員化を進める。

安全対策を強化するのはバス事業が拡大しているためだ。同社は千葉県内の路線バスや高速バス事業を展開し、65億円の売上高(15年度)の約6割をバス事業で稼いでいる。特に木更津市と東京・神奈川を結ぶ路線はアクアラインの通行料値下げの影響により、14年の運行本数は23万本(他社との共同運行含む)とこの6年間で2割増えた。

競合する鉄道路線では東日本旅客鉄道(JR東日本)が15年に東京―館山の特急列車を減らしたり、17年3月のダイヤ改正で同区間の「特別快速」の廃止を発表したりしている。東京方面の通勤客をバス路線が奪っているためだ。小湊鉄道は今後もアクアライン路線に拡大の余地があるとみて、安全対策を強化して新規顧客の獲得につなげる。

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