横浜市の昨年の観光集客、5年ぶり減、施設頼み岐路

2017/5/16 7:01
保存
共有
印刷
その他

横浜市の観光集客が踊り場を迎えた。市の調べによると、2016年の観光客数は3614万人で、15年比4%(147万人)減だった。東日本大震災の影響などで落ち込んだ11年以降、増加傾向が続いていたが、5年ぶりに前年を下回った。ホテル建設ラッシュが続く東京都内に宿泊客が流れたほか、市内の大型集客施設の整備が一服し、日帰り客も減少した。

観光客数は宿泊客と日帰り客を集計。宿泊施設の利用者数のほか、市内90カ所強の観光施設や観光客向けバスなどの利用者数をもとに推計値で算出した。

宿泊客は16%(83万人)減の429万人にとどまり、全体を押し下げた。ホテル開業が相次いだ都内に客足を奪われたうえ、市内の一部ホテルで改装に伴う利用減があった。

日帰り客は2%(64万人)減の3185万人だった。市内の地域別では「山下・関内・伊勢佐木町」や「鶴見周辺」は1割以上の落ち込みを記録。これまで集客のけん引役を果たしてきた「みなとみらい(MM)・桜木町」(2%増)や「山手・本牧・根岸」(6%増)も伸びが小幅だった。

横浜市はこれまで13年に大型商業施設「マークイズみなとみらい」、14年に婚礼施設「アニヴェルセルみなとみらい横浜」が開業するなど、MM21地区を中心とする集客施設が日帰り客の増加につながっていた。ただ、こうした大型施設の整備が一段落し、来訪者の増加が鈍った。

一方、観光消費額は3195億円と、横ばいで踏みとどまった。日帰り観光の1人当たり消費額は1000円強増えて約6500円となり、「少しリッチな日帰り観光の需要が伸びている」(市文化観光局)という。

林文子市長は調査結果について、ハコモノ頼みの観光施策には限りがあるとの見方を示つつ、観光誘客には「まだ伸びしろがある」との認識だ。MM21地区などでは観光イベントに力を入れており、市内全体のイベント集客は9%増だった。林市長は「質の高いものが横浜で見られるという情報発信が必要」としており、ハードからソフトへの施策転換が今後重要になりそうだ。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]