2019年2月19日(火)

交通・物流、懸命の復旧 高速道で物資輸送可能に 熊本地震

2016/4/20 1:49 (2016/4/20 6:49更新)
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熊本県を中心とする地震でまひした交通・物流網に回復の兆しが見えてきた。全線運休している九州新幹線は20日、一部区間で運転を再開。熊本空港も19日、一部の運航を始めた。九州自動車道の不通区間も一部で緊急車両が通れるようになり、被災地に物資を供給しやすくなった。電力やガスなどライフラインでも懸命の復旧作業が続く。ただ、熊本県ではなお9万人以上が避難生活を送り、物資も全てに行き渡っていない。生活の再建には遠い。

復旧作業が夜通しで行われる九州新幹線の脱線車両(19日夜、熊本市西区)

復旧作業が夜通しで行われる九州新幹線の脱線車両(19日夜、熊本市西区)

博多(福岡市)―鹿児島中央(鹿児島市)間を結ぶ九州新幹線は14日夜の地震により熊本市内で回送車両が脱線。19日まで全線で運転を見合わせていたが、20日早朝から新水俣(熊本県水俣市)―鹿児島中央間で運転を再開した。

ただ、利用客が多い博多―熊本(熊本市)間の運転再開のメドは立っていない。脱線車両の撤去が難航しているためだ。九州旅客鉄道(JR九州)は復旧に向け、東海旅客鉄道(JR東海)と西日本旅客鉄道(JR西日本)から現場作業員や機材を受け入れている。

ターミナルビルが被災して閉鎖していた熊本空港(熊本県益城町)は19日、運用を一部再開した。東京や大阪発の日本航空や全日本空輸の便が同日午前に到着。同日午後にはフジドリームエアラインズ(FDA)なども運航を再開した。

国土交通省によると、19日は熊本発着の25便が運航した。石井啓一国交相は同日の記者会見で「一部でも再開したことは復旧へ大きな歩みになる」と述べた。ただ、ビルの機能が完全には復旧しておらず、運航の全面再開の見通しは立っていない。

熊本、大分両県内で通行止めが多い高速道路は九州自動車道の植木インターチェンジ(IC、熊本市)―益城熊本空港IC(益城町)間と松橋IC(熊本県宇城市)―八代IC(同県八代市)間で19日までに、緊急車両のみ通行可能になった。これにより、被災地に物資を届けやすくなった。

しかし、大分自動車道の湯布院IC(大分県由布市)―別府IC(同県別府市)間など不通区間は依然として計約130キロメートルに及ぶ。

一方、ライフラインの復旧も徐々に進む。厚生労働省によると、熊本県内で一時42万9000戸に上った断水は19日午前11時現在、熊本市を中心に計9万3000戸に減った。塩崎恭久厚労相は同日、「今週中には全面復旧したい」と語った。

電力は土砂崩れで送電塔が使用不能になり、同日午後10時現在、熊本県阿蘇市など県内約6500戸で停電。九州電力は発電機車を配備し、20日に復旧させる方針だ。

ガスは復旧が遅れている。西部ガスによると、16日未明の地震以降、同県内の約10万5000戸で止まったままだ。ガス漏れの点検にはいったん全てのガス栓を手作業で閉じる必要がある。閉栓作業を19日夜までに終え、20日から一部で供給を再開する見通しだ。

九州以外の企業もインフラ復旧に協力する。東京ガスは総勢1000人、作業車両500台を現地に派遣、施設や住宅でガス漏れがないか調べる。大阪ガスなど他のガス会社を含め、応援要員は最終的に1800人以上に上る見通し。

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