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夕張市、JR夕張支線廃止を容認へ 地域振興への協力が条件

財政再生団体の夕張市が鉄道の廃線を見据えた地域振興策に乗り出した。鈴木直道市長は8日、北海道旅客鉄道(JR北海道)の島田修社長を訪ね、道内でも特に利用者が少ないJR石勝線の夕張―新夕張間(16.1キロ、夕張支線)の廃止を受け入れる代わりに地域振興策への協力を求めた。早ければ2019年3月にも廃線になると想定し、先手の交渉を進める。

夕張支線の鉄道利用は、石炭産業の衰退につれて減少。区間の14年度の輸送密度(1キロあたりの1日の平均輸送人員)は117人と、道内全路線の中で3番目に少ない。年1億8000万円の営業赤字だ。鉄道事業で年400億円規模の赤字が続くJR北海道は秋口、不採算路線の縮小について地元自治体と協議を始める。鈴木市長は同区間の廃線は避けられないとみて交渉を持ちかけた。

鈴木市長は島田社長に対し、廃線後の市内交通網再形成への協力、所有する施設・土地といった有用資産の無償譲渡、JR職員の派遣の3条件を提示。8月中の回答を求めた。会談後、鈴木市長は記者団に「座して待つのではなく、攻めの廃線ということで要請した。地域公共交通のモデルを作るべく、ピンチをチャンスに変えるという発想で挑戦したい」と話した。

鈴木市長は市内を走る鉄道の現状について「大切な公共交通のひとつだが利用者は少なくなった。夕張支線はバスと並行して走っている背景もある。持続可能な公共交通はどういうものか智恵を出して考える作業がいま必要だ」と、地域公共交通の再形成を進める考えを示した。

夕張市は19年度中にホールや図書館などの機能を備え、市の拠点となる複合施設を開く計画だ。施設の周辺と市内各地をバス路線などで結び、地域の再生につなげる構想があるもよう。

夕張市が投じた一石は他の自治体へ影響を及ぼしそうだ。財政再生団体であるだけに、従来は廃止路線候補として「政治的に夕張支線の名は挙げにくい」(関係者)との意見も出ていた。

JR北海道は廃線の条件をめぐる自治体との協議には慎重になる可能性があるが、抜本改革を進める端緒となりそうだ。同社は夕張市に「早々に回答したい」とコメントした。

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