使用済み核燃料の再処理事業費13.9兆円 安全対策費膨らむ

2017/7/4 11:34
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 原子力発電所から出る使用済み核燃料の再処理について、青森県六ケ所村で進める総事業費が現在の見込みより1.3兆円膨らみ、13.9兆円に上る見通しとなった。新規制基準に適合させるための安全対策工事が増えることが主な理由。国が掲げる核燃料サイクルの費用が、さらに膨らむことになる。

 認可法人・使用済燃料再処理機構(青森市)が明らかにした。1.3兆円のうち、耐震工事や緊急時対策所、貯水槽の新設など新規制基準に適合させる安全対策工事が7000億円増える見通し。同工事費は2015年度までに540億円を支出済みだが、総額は約7500億円に増えることになる。また、このほかの安全対策工事などで1.1兆円増える。一方、経営効率化で5000億円を削減し、差し引き総事業は1.3兆円増えるとした。

 再処理工場は当初、1997年の完成予定で、建設費は7600億円を見込んでいた。だが、その後、技術的な課題の解決に時間がかかり、完成時期を20回以上延期してきた。それに伴い、建設費は2兆1900億円に膨らんでいた。技術的な問題はほぼクリアしたものの、2011年の東日本大震災と原発事故を受けた新規制基準への対応で今回さらに膨らみ、建設費は3兆円を超える可能性もある。

 同機構から再処理の委託を受けている日本原燃(青森県六ケ所村)は再処理工場の新規制基準に基づく安全審査を14年に原子力規制委員会に申請した。現時点の完成時期は2018年度上期を見込んでいるが、安全審査が長引いており、厳しい状況になっている。

 また、六ケ所村で建設中のウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料工場の建設費も当初の1.2兆円から2.3兆円に膨らむ見通しも発表した。今回、具体的な設計が固まり、改めて工事費を精査した。

 使用済燃料再処理機構は核燃料サイクル事業の主体を見直し、国の関与を強める「再処理等拠出金法」の施行に伴い、従来の日本原燃に代わる事業主体として16年に設立された。実際の再処理業務は日本原燃に委託する。

 核燃料サイクルを巡っては6月末、日本原子力研究開発機構が東海再処理施設(茨城県)の廃止に計約1兆円かかるとの試算をまとめており、巨額の費用を要することが明らかになっている。

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