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宮城の被災地、急速に高齢化

2016/6/4 7:00
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被災地では住宅地などの再建に時間がかかっている(宮城県南三陸町)

被災地では住宅地などの再建に時間がかかっている(宮城県南三陸町)

東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県の自治体で高齢化が急速に進んでいる。県の高齢者人口調査によれば、3月末時点で総人口に占める65歳以上の割合が35%を超える自治体は7市町。女川町や気仙沼市など、津波の被害が激しかった自治体が多く並んだ。

県の総人口(3月末時点)は231万7146人。このうち高齢者は59万3630人で、高齢化率は25.6%だった。総人口が前年より0.2%減った一方で高齢者は3.0%増え、高齢化率は0.8ポイント上昇した。2012年以降、一貫して上昇が続いている。

女川町や気仙沼市、南三陸町などで高齢化が進む背景には、津波で自宅を失った中年層や若者が故郷を離れて仙台市や同市周辺などへ一時的に移り住んでいることもあるとみられる。

仙台市の高齢化率は22.2%。このほか名取市で20.9%、大和町で20.4%などとなっており、いずれも県全体の平均を下回る。

沿岸部を離れて他の自治体に移り住んでいる人の中には故郷に戻る意思を持つ人も多いとみられるが、沿岸部では災害公営住宅(復興住宅)の建設や住宅地の造成が遅れ気味だ。彼らが仙台市などでの生活再建を決めれば、沿岸部と仙台圏の高齢化率の格差は一段と開く可能性がある。

高齢化率の上昇は地域の産業を担う世代の減少でもある。沿岸部では水産加工会社などの生産設備の復旧が進んでいるが、稼働に必要な人材の不足が深刻だ。

各自治体は出身者を首都圏などから呼び戻すUターンの取り組みや全国からの移住者の呼び込みなど、若者世代を定着させる努力をこれまで以上に進める必要がある。

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