2019年5月27日(月)

電力9社が経常黒字 4~6月、燃料費10社で34%減

2015/7/31付
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電力大手10社の2015年4~6月期の連結決算が31日出そろい、沖縄電力を除く9社の経常損益が黒字になった。火力発電に使う液化天然ガス(LNG)の価格下落を受けて燃料費負担が大きく減った。修繕費などのコストを抑制した効果も加わり、原子力発電所が1基も稼働しないなかでも、利益を確保した。

4~6月期平均のLNG価格は、前年同期の半値近くに下がった。原発の停止を受けて、各社は火力発電を代替利用している。4~6月の燃料費は10社の合計で1兆1456億円と、前年同期に比べて34%減った。

31日に決算を発表した九州電力の経常損益は211億円の黒字(前年同期は365億円の赤字)となった。第1四半期では5年ぶりだ。これまで火力発電の燃料費増が重荷だったが、LNG価格の下落で燃料費が約4割減った。修繕費の先送りなどで費用も削減し、利益増につなげた。

東京電力、中部電力、関西電力も燃料費がいずれも約4割減と大きく減った。中部電、東電は経常利益が4~6月期で過去最高となった。

北海道電力は昨年11月からの電気料金の再値上げが経常利益を190億円押し上げた。4~6月期の経常損益は92億円の黒字と、4年ぶりに黒字に転換した。

関電も燃料安に加えて6月からの家庭向け電気料金再値上げで利益を回復し、同じく4年ぶりに経常黒字に転換した。

沖縄電の赤字は季節的な要因が大きい。例年4~6月期には冷暖房とも電力の需要が減り、収益が悪化するケースが多いという。4~6月の決算では最終損益でも沖縄電を除いた9社が黒字を確保した。

もっとも、7~9月期以降も各社が好決算を維持できるかは不透明だ。燃料価格を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」により、下期には電気料金が下落するとみられる。燃料安による利益押し上げ効果が薄れて「収支環境が厳しくなる」(中国電力)。

修繕費の削減も限界が近づいている。「火力発電はフル稼働状態でいつトラブルが起こってもおかしくはない」との声は多い。電気の安定供給のためには、これまで先送りしてきた設備の修理が必要になる。

各社とも収益の本格回復には原発の再稼働が必要と見ている。九電は川内原子力発電所1号機(鹿児島県)を8月10日にも再稼働させる予定だ。原発1基を稼働させると1カ月で75億円収支が改善するという。再稼働の収益改善効果などで黒字定着を目指す。

しかし、東電の柏崎刈羽原発(新潟県)など、先行きが見通せない原発も多い。東電の大槻陸夫企画室長は「4~6月期の業績は一過性のものだ。柏崎が動かない状況では業績を楽観視できず、コスト削減を継続する」と気を引き締める。

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