新型iPhone、事前予約で静かなスタート

NTTドコモなど携帯大手3社は31日、米アップルの新型スマートフォン(スマホ)「iPhone SE」を発売した。東京都心の家電量販店では来店客から小型の画面などを歓迎する声があがった。ネットなどでの事前予約を実施していることもあり、開店前の目立った行列などはなかった。携帯各社も発売記念イベントは開かず、静かなスタートとなった。
ビックカメラ有楽町店(東京・千代田)は通常より30分早い午前9時半に開店して販売を始めた。出勤前にSEを購入した30代の男性会社員は「画面が小さく使いやすい」と話した。ただ、「ゼロ円端末」撤廃を巡る総務省と携帯大手のドタバタなどもあり、「消費者に分かりやすい販売方法にしてほしい」という声もあった。
iPhoneの新製品は発売当日の店舗での混雑を避けるため、事前予約を実施している。予約時間に来店すれば受け取れることもあり、大きな混乱などは起きなかったようだ。訪日中国人などの姿も目立たなかった。
SEの大きな魅力は小さい画面と価格の安さ。2世代前のモデル「5s」と同じ4インチの小型画面を採用しながら、現行モデルとほぼ同じ機能を搭載する。アップル直営店での価格は16ギガ(ギガは10億)バイトモデルが税別5万2800円で現行モデルより約4万円安い。
ただ、2年契約など日本独特の販売手法もあって、消費者の負担が実質ゼロに近いケースもある。携帯大手は「予約は好調」とするが、「過去のiPhoneの新機種に比べると出足は鈍い」と指摘する関係者も多い。今後発売されるとみられる次期機種への関心も高く、「6sなどより入荷数を抑えている」(大手家電量販店)という販売店もある。