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燃料高で電力5社値上げ 10月料金

2016年初めに急激に進んだ燃料安が一服し、電気料金の値上げが鮮明になってきた。電力大手10社は30日、10月の電気料金を発表し、5社が燃料高を理由に値上げする。5社以上が値上げとなるのは15年11月分以来、11カ月ぶり。家庭や企業にとって電気料金が上がるうえ、燃料高は火力発電所の燃料費が高まるため、電力大手の収益も圧迫しそうだ。

電力大手は原燃料価格の変動を料金に反映する原燃料費調整(燃調)制度に基づき、電力料金を決める。10月の料金は5~7月に輸入された原燃料の平均価格から算出する仕組み。原油価格は4~6月と比べて約6%高く、3~5月以来3期連続の上昇となった。円高の追い風を、原油価格の上昇分が打ち消した。

10月の電気料金値上げは関西電力にとっては11カ月ぶり、北海道電力にとっては3カ月連続の値上げとなる。北陸電力四国電力沖縄電力も燃料高を理由に値上げする。九州電力は燃調に基づけば値下げだが「地球温暖化対策のための税」の税率引き上げを反映するため、平均的なモデル使用量では値上げとなる。

液化天然ガス(LNG)の輸入価格は小幅だが下落したため、ガス火力の比率が高い東京電力エナジーパートナーや中部電力、ガス大手4社は値下げする。

電気料金の値上げが進めば、4月の電力小売り自由化で新規参入した新電力との顧客獲得競争が進みそうだ。

新電力は相次ぎ電力大手に対抗した割安メニューを打ち出したが、電力自由化が始まっても燃調により電力大手の電気代は値下げが続いていた。現在は電気契約40万件超を獲得した東京ガスなどを除き、新電力は顧客獲得に苦戦している。今後進む可能性がある電気代の値上げ局面では消費者が敏感となり、電力大手に対抗して出した料金メニューの真価が問われることになりそうだ。

燃調では工場など大口向けの電気料金も、家庭向けと同じ傾向となる。電気を大量に使う関西の電炉大手の担当者は「上がった料金を鋼材の売値に転嫁することは難しく、収益圧迫要因になりそう」と懸念する。

電力大手も電気代が値上げとなるからといって、収益が改善するわけではない。火力発電所の燃料費が高くなるためだ。

年初の燃料安の恩恵を受けて、16年4~6月期の電力10社の燃料費は前年同期比40%減の約6700億円となった。燃料安により原発を再稼働をせずに好調な収益を維持できていた企業は多い。今後は燃料費の上昇で利益が圧縮される可能性もある。

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