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スズキ、独VWと提携解消 国際仲裁が決着

株式買い戻し金額5000億円規模

スズキは30日、独フォルクスワーゲン(VW)との資本提携を解消すると発表した。2009年の提携後、経営の独立性などを巡って対立し、英ロンドンの国際仲裁裁判所を通して4年弱にわたり争っていた。VWが保有する全てのスズキ株式、19.9%分を買い戻す。買い戻し金額は5千億円規模になる見通し。今後のスズキの新たな生き残り策は、世界自動車メーカー再編の引き金となりそうだ。

29日、国際仲裁裁判所が両社に仲裁判断を通知した。主な内容は「包括提携の解除を認める」「VWに保有するスズキ株の売却を命じる」「VWが主張していたスズキの技術関連の契約違反について一部認め、損害賠償も含め引き続き審議する」の3つ。損害賠償が発生した場合の金額などが焦点となる。

現在のスズキの時価総額で計算すると株式買い取り額は約4600億円となり、株価次第では増加する可能性がある。VWは約2200億円で取得していた。スズキは15年3月期末時点で約1兆1千億円に上る手元資金のほか、持ち合いで保有する1.5%分のVW株(時価で約1千億円)も売却し、自社株買いの原資とする見通しだ。

30日、スズキの鈴木修会長は記者会見で「最大の目的を達成した。結果に満足している」と話した。VWはスズキ株売却により「利益と流動性の面でよい影響がある」との声明を出した。

スズキは米ゼネラル・モーターズ(GM)との提携を通じて成長してきた。だが、GMの経営不振で提携解消となったことを機に、09年にVWと資本・業務提携を発表した。スズキが小型車開発技術、VWは次世代の環境技術や高級車を持ち寄ることで、収益を拡大させる狙いだった。

当初、両社は「対等関係」を強調していた。VWの19.9%という出資比率は、持ち分法適用会社化を避けるといった意味合いがあった。しかし、VWは年次報告書で持ち分法適用会社と表記し、事実上の傘下企業と位置づけた。スズキはVWの環境技術の開示が十分でないとも主張していた。一方、VWはスズキがフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)からディーゼルエンジンを調達したことを提携合意違反だと表明。溝が生じていった。

スズキは11年9月、提携解消を申し入れたが、提携の証しだった株の買い戻しにVWは応じなかった。このため同11月に国際仲裁裁判所に提訴していた。

4年弱にわたる係争はスズキの海外戦略や次世代技術開発などに影響を及ぼしていた。世界販売では約280万台で10位にとどまり、持続的成長には新たな提携先を模索する可能性が高い。

 ▼国際仲裁裁判所 企業、個人など国境をまたがる紛争を解決する機関のひとつ。通常の裁判はある国で公務員の裁判官が判決を下すが、国際仲裁では第三国などから選んだ私人である仲裁人が判断する。当事者のどちらとも関係がない第三国の仲裁人を選ぶことで中立性を担保している。特定の国の裁判所で進める場合に比べて、公平性を高められる。裁判と違って仲裁のプロセスや証拠の中身を傍聴されることがないため、企業の秘密を保ち、市場における信用やビジネスへの悪い影響を避けることができる。
 仲裁結果には国際条約に基づき強制力がある。ある国の仲裁機関の判断で別の国にある当事者の資産を差し押さえるといったこともできる。証拠開示を求めることも多い。

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