スズキ、独VWとの提携解消へ 仲裁裁判所が裁定
全株買い戻し、4600億円規模に

2015/8/30付
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スズキは独フォルクスワーゲン(VW)に資本提携の解消を求め国際機関を通じ争っていた問題で、VWが保有する19.9%分の自社株のすべてを買い戻すと発表した。現在の時価総額をもとに計算すれば、買い戻し額は約4600億円となる。ロンドンにある国際仲裁裁判所が裁定を両社に通達し、両社の提携解消が実現する。スズキは経営の独立性を維持し、今後新たな生き残り策を模索する。

記者会見するスズキの鈴木修会長(右)と鈴木俊宏社長(中)=30日午後、東京都千代田区

記者会見するスズキの鈴木修会長(右)と鈴木俊宏社長(中)=30日午後、東京都千代田区

仲裁裁判所はVWが主張したスズキの契約違反の一部を認め、損害の有無や額について引き続き仲裁で審議する。

スズキは2009年にVWと資本・業務提携を発表したが、会社の支配権や技術の供与などをめぐって溝が深まり、11年9月にスズキがVW側に提携解消を申し入れた。同11月には第三者機関である国際仲裁裁判所を通じた係争が続いていた。

▼国際仲裁裁判所 企業、個人など国境をまたがる紛争を解決する機関のひとつ。通常の裁判はある国で公務員の裁判官が判決を下すが、国際仲裁では第三国などから選んだ私人である仲裁人が判断する。当事者のどちらとも関係がない第三国の仲裁人を選ぶことで中立性を担保している。特定の国の裁判所で進める場合に比べて、公平性を高められる。裁判と違って仲裁のプロセスや証拠の中身を傍聴されることがないため、企業の秘密を保ち、市場における信用やビジネスへの悪い影響を避けることができる。
 仲裁結果には国際条約に基づき強制力がある。ある国の仲裁機関の判断で別の国にある当事者の資産を差し押さえるといったこともできる。証拠開示を求めることも多い。
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