2019年1月19日(土)

ゼンショー苦境一段と 「すき家」1100店深夜営業休止
複数店員、人手不足が壁

2014/10/1付
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ゼンショーホールディングス(HD)は1日、牛丼店「すき家」の6割弱に当たる1167店で主に午前0時~同5時の深夜営業を休止した。複数勤務に切り替えることで深夜の1人勤務を9月末までに解消すると表明していたが、人手が確保できず、「最悪のシナリオ」に近い数の店が休止を迫られた。同社の苦境は深まっている。

東京・中央の日本橋兜町店は午後9時から翌午前9時まで休業する

東京・中央の日本橋兜町店は午後9時から翌午前9時まで休業する

ゼンショーHDがすき家の労働環境改善のため設置した第三者委員会(委員長・久保利英明弁護士)は7月、1人勤務の早急な解消を求めた報告書を提出した。この時点では1人勤務は約940店あった。

同社は提言を受け、「2千店が24時間営業するモデルは変える」(小川賢太郎会長兼社長)と従来の路線を修正する考えを示し、近隣の店舗からアルバイトを異動させるなどして複数勤務への切り替えに取り組んだ。

同社は都市部に多い「吉野家」や「松屋」と異なり、郊外を中心に大量出店をしてきた。郊外は深夜の来店客が少ないため1人勤務でコストを圧縮しながら24時間営業を続けてきた。

店舗間の距離が長いため、異動できるアルバイトは少なかった。「新規採用は例年よりスムーズに進んだが、昼間や夜間に働く人が中心で、深夜の応募者は減った」。複数勤務を実現できなかったのは、最悪のシナリオとして描いていた約940店に近い860~870店にのぼった。

すでに休止していた約300店と合わせ、深夜営業をやめるのは約2千店の6割近くに達した。午後9時から翌日の午前9時まで休む店もある。

同社は創業者である小川会長兼社長の強いリーダーシップのもと、すき家の1人勤務による低コスト運営や大量出店などで成長した。すき家の店舗は10年で4倍になり、吉野家を店舗数で抜いて国内外食企業の最大手に上りつめた。

過重労働を問題視する機運が高まるなか、今春には人手不足からすき家の一部店舗が休業に追い込まれるなど、低コスト運営路線にほころびが見えていた。第三者委の報告書を受けた小川氏は「働いているアルバイト、社員に過重な負担をさせた。本当に反省している」と述べた。

深夜営業を休止する方針を打ち出した8月、15年3月期の連結売上高を前期比12%増の5250億円に下方修正し、最終損益は13億円の赤字と上場来初の赤字に転落すると発表した。見通しは約940店で深夜営業を休止することを前提に出しており、現時点で修正する予定はないという。30日の株価は前日比24円安の972円で終えた。

10月1日付ですき家を運営する事業子会社のゼンショーの社名を「すき家本部」に変えると発表した。カフェなども運営してきたが、別の子会社に移し、牛丼店に特化するため。

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