2019年2月20日(水)

任天堂、ゲーム周辺事業実る 4~6月 5年ぶり営業黒字
フィギュアやコンテンツ収入が貢献

2015/7/29付
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任天堂の収益源が広がってきた。2015年4~6月期の業績好転を下支えしたのは、ゲームの新たな楽しみ方を提案したゲーム連動型フィギュアなど「派生ビジネス」だ。ゲーム専用機とソフトの一体販売を軸にしながらも、「稼ぎ手」を増やそうと故岩田聡社長がまいた種が芽吹きつつある。

米国のゲーム販売店で飛ぶように売れているものがある。「マリオ」「ピーチ姫」などの人気キャラクターを模したフィギュア「アミーボ」だ。任天堂が昨年末に発売した。1体1200円程度だ。米国の業者が日本のゲーム卸売り会社を訪れ「あるだけ全部ほしい」と買っていくほどだ。

アミーボにはICチップが埋め込まれている。据え置き型ゲーム機「Wii U」や携帯型「ニンテンドー3DS」の読み取り部分にかざすと近距離通信でやり取りしてデータを保存したり、ゲームにそのキャラクターを登場させたりできる。

ゲームの中だけだったキャラクターを手にとれる点が受け、累計1470万体を売る大ヒットとなった。同商品の好調もあり、4~6月期の北米の売上高は392億円と前年同期比25%増えた。

「任天堂のキャラクターのフィギュアが店頭に陳列されることで、ゲームに触れてもらうきっかけにしたい」。岩田社長はマリオなどを積極活用し、収益拡大をめざす方針を示していた。その第1弾がアミーボだった。

もう1つ、育ちつつあるのが有料のコンテンツの配信だ。ゲームソフトを買った購入者が数百円払うと新しいキャラクターや場面をインターネット経由でダウンロードできる。1つのソフトを飽きずに長く遊べる。

任天堂にとって流通コストや在庫リスクがなく収益性が高い。ネット経由でソフトを販売するビジネスとの合計売上高は前年同期比2.4倍の120億円に拡大した。

4~6月期の円安効果は予想されていたが、事前には営業赤字を予想する市場関係者が多く、「大きなサプライズ」(大和証券の田中聡アナリスト)との声が聞かれた。

ただゲーム専用機とソフトの従来ビジネスは低空飛行が続く。3DSの改良版を2月に欧米で発売し、販売台数は伸びたがソフトは減少。Wii Uも苦戦が続く。

特にソフトの不足は深刻。前期を「収益のバランスをとる年」として人気ソフトを集中投入した反動で、今年発売予定の大型ソフトは少ない。6月に米国で開かれた世界最大のゲーム見本市では関係者の失望を買った。

任天堂はディー・エヌ・エー(DeNA)と共同開発するスマートフォンゲームを年内に投入する。さらに「新しいコンセプトのゲーム専用機」として16年に「NX」を発表する方向で開発中だ。業績復調を確かなものにできるか。岩田社長が後を継ぐ経営陣に託した課題だ。(花田幸典)

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