エレンビー氏死去75歳、「ノートパソコンの父」
現在のノート型パソコンの原型となるコンピューターを開発した英国の技術者、ジョン・エレンビー氏が米カリフォルニア州で死去した。欧米メディアなどが29日までに報じた。75歳だった。亡くなったのは17日で、死因は明らかになっていないという。
エレンビー氏は1979年にコンピューター開発ベンチャーのグリッド・システムズを創業。工業デザイナーのウィリアム・モグリッジ氏などと共に、折り畳んで持ち運びできるパソコン「コンパス」を開発し、82年に発売した。
卓上のデスクトップ型コンピューターですらまだ珍しい時代。しかも、「コンパス」は「オズボーン」や「ケイプロ」といった他社の競合製品と比べて断トツに軽かったという。ただ、競合機が当時、2000ドル弱で売られていたのに対し、「コンパス」は8000ドル以上と高額。一般普及には遠かったが、企業や政府機関などで導入されていた。
エレンビー氏は拡張現実(AR)分野の開拓者としても知られている。現実世界の映像に仮想のコンピューターグラフィックス(CG)を重ね合わせるARは今でこそ、スマートフォン(スマホ)ゲームで注目を集めるが、エレンビー氏は91年にARベンチャー企業のジオベクターを創業。「コンパス」の開発とともに、同氏の先見性は業界から一目置かれていた。
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