東電、経常益最高の3651億円 4~9月 関電も大幅増益
東京電力が29日発表した2015年4~9月期の連結決算は経常利益が前年同期比50%増の3651億円だった。上半期として過去最高で、利益の改善は2期連続となった。原子力発電所が停止するなか、資源価格の下落で火力発電所の燃料費が大きく減った。関西電力も同日発表した決算で経常利益が1671億円と前年同期の18億円から大幅に増えた。電力料金の値上げ効果が大きい。
東電の売上高は6%減の3兆1281億円だった。企業向けが落ち込み販売電力量は3%減った。燃料費は原油、液化天然ガス(LNG)の価格下落によって3割強減って8519億円となり「福島第1原発事故を起こした11年以降の上半期として最も低い額になった」(広瀬直己社長)。原子力損害賠償費4652億円を特別損失に計上し、純利益は4%減の2794億円だった。
関電の経常利益は東日本大震災前の水準に回復した。4月以降の電力料金の再値上げで利益が490億円押し上げられた。さらにLNGの価格下落で燃料費が35%減の3683億円に減った。
東電は16年3月通期の連結業績予想を開示しなかった。新潟県の柏崎刈羽原発の再稼働時期が見通せておらず、供給力見通しなど「一定の前提を置いて業績を想定することが難しい」(東電)という。関電も売上高を除いた連結業績の予想を開示しなかった。
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