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東芝・WD、舞台は国際仲裁 半導体売却

米カリフォルニア州の上級裁判所は28日、米ウエスタンデジタル(WD)が求めた東芝の半導体メモリー事業の売却差し止めについて2回目の審問を開いた。差し止めに対する直接の判断は下さないまま、事実上、審理を終えた。東芝は実質的に従来通り売却交渉を続けられることになった。争いの舞台は国際商業会議所(ICC)の国際仲裁裁判所に移る。

上級裁の審問は短時間で終わった

カリフォルニア州の上級裁は売却の可否の判断を下す代わりに、メモリー事業の買い手が代金を払い込む売却完了の2週間前に、東芝がWDに通告するよう命じた。適用期間は仲裁裁で仲裁人が選定されてから60日間がたつまでで、10~11月ごろまでとなる見込みだ。

東芝は「実際問題として、裁判所が言及した期間において事業売却が完了することは予定していない」(成毛康雄副社長)とのコメントを発表した。売却先決定後の各国の独占禁止法審査に時間がかかるため、東芝は売却完了は自社が締め切りとした18年3月末ぎりぎりとなると想定。今回決まった通告の枠組みは交渉に影響がないとする。

専門家からは「東芝はひとまず1つのハードルを乗り切ったといえる」(高井伸太郎弁護士)との声があがる。WDとしては一定期間、東芝から売却完了に向けた通告を得る権利を得たものの、差し止め仮処分を求めた訴えは審問では議論されず米上級裁での法的措置は不発に終わった形だ。

争いの舞台は仲裁裁に移る。審理は今後1~2カ月で始まる予定だ。仲裁裁の判断はカリフォルニア州上級裁の判断が影響しない。東芝とWDは「これから始まる仲裁裁の審問に備える」とコメントした。

東芝にとってWDとの間で抱える問題が売却交渉の障害である状況は変わらない。仲裁裁の審理は1年半から2年かかるとされている。東芝が設定した締め切りを考慮すると、買い手は仲裁裁の最終判断を待たずに2兆円もの代金の払い込みを迫られる。スティーブン・ギブンズ米国弁護士は「仲裁裁の最終判断前に買い手が納得し、売却が完了できるとは考えにくい」と話す。「水面下でWDと和解に向けた交渉を続けるだろう」との見方もある。

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