ソニー、ロボット再参入へ 平井社長が意欲

ソニーは29日、都内で経営方針説明会を開き、人工知能(AI)を活用してロボット事業に再参入すると明らかにした。記者会見した平井一夫社長は「心のつながりを持ち、愛情の対象となるロボットを作りたい」と意欲を示した。5月に出資した米有力ベンチャー「コジタイ」のAIを活用する。
4月にロボットの事業化に向けた組織を立ち上げた。平井社長は「ハードとサービスを組み合わせて感動体験をもたらす新しい事業モデルを提案する」と語った。商品化などのメドについては「適切な時期がきたら発表したい」とした。将来的には製造や物流など広範囲な領域でもロボットやAI事業を展開する。
ソニーは1999年にペット型ロボット「AIBO(アイボ)」を発売し、2006年に生産を終了した。ソニーは5月に米国のスタートアップ(新興企業)、コジタイに出資して新しいAI技術の共同開発に取り組んでいる。今後は外部の知見も幅広く取り入れ、製品開発につながる研究体制を構築する考えだ。
18年3月期に営業利益で5000億円、自己資本利益率(ROE)で10%以上という中期経営計画の目標は据え置く。平井社長は「5000億円という目標は、1997年度以来の水準で大変挑戦的だが、販売が好調な『プレイステーション4』のゲーム事業がけん引し、復活しつつあるエレクトロニクス事業が下支えする」と自信を示した。