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ドコモ、インド撤退3年かけ決着へ タタと提携解消

NTTドコモとインド最大財閥タタ・グループの提携解消が最終決着した。デリー高裁は28日、タタによるドコモへの約11億7200万ドル(日本円で約1300億円)の損害賠償金の支払いを認める判断を出した。インド撤退の表明から3年――。ようやく事態は収束するが、ドコモの海外事業は周回遅れのままだ。

ドコモは09年にタタ・グループの通信会社であるタタ・テレサービシズ(TTSL)に約2600億円を出資を決めた。ただ、現地での競争は激しく収益は悪化。14年にインドから撤退を発表し、ドコモとタタは提携を解消することで合意した。

だが、タタが支払うドコモへの損害賠償金を巡り、事態は泥沼化する。

15年にインド準備銀行(中央銀行)はドコモの求める価格で、タタがTTSLの株を買い取ることを不許可と決めた。この決定を巡り、ドコモは英ロンドンの国際仲裁裁判所に仲裁申し立てをした。国際仲裁裁判所は賠償金支払いをタタに命じ、17年2月には賠償金の全額支払いに向けドコモとタタが和解した。

ドコモは「本判決の結論は妥当であると認識している」とした。

業績への影響について「実際に入金された時点で決算に反映される予定だ。損害賠償金が取得できた場合の計上科目については営業外損益として計上する方向で検討中だが、詳細は決まっていない」とした。

ドコモは2000年代に米AT&Tワイヤレスなどに計約2兆円近くを投じたが、結局、約1兆円の巨額損失を計上。ドコモの現在の出資先は台湾や香港などの通信会社の少額出資にとどまり、海外展開下手は否めない。

一方、ソフトバンクグループは米携帯子会社スプリントの業績を立て直し、KDDI(au)もモンゴルとミャンマーの携帯事業が堅調だ。

今回の判決でドコモの懸案は解消するものの、海外展開では他社に後れをとる。ドコモは海外での次の一歩を見いだせないままだ。

(企業報道部 大西綾)

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