好調ゾゾタウン、次の一手に悩み 取扱額、大手アパレル規模に

2017/4/28 21:04
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衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイの成長が続いている。28日発表した2017年3月期連結決算によると、年間取扱額が2000億円を超え、大手アパレルに並ぶ規模になった。ネットで洋服を買う若者がまず選ぶサイトの地位を固めたためだが、高成長を保つ次の一手は見えてこない。

「新規出店の増加や販促活動の成果だ」。柳沢孝旨副社長は28日の説明会で好調ぶりの手応えを語った。消費者がゾゾタウンで実際に購入した金額の合計を示す取扱額は2120億円と5年前の2.6倍に膨らんだ。

これはアパレル最大手オンワードホールディングス(HD)の売上高に匹敵。営業利益は前年比48%増の262億円で、07年の上場以来10期連続で過去最高を更新した。

スタートトゥデイの収入はゾゾタウンに出店するアパレルからの手数料だ。百貨店と同じ「委託販売」の経営だが、実店舗や販売員がないため固定費が大幅に安い。利益では三越伊勢丹ホールディングスなど大手百貨店を上回ったもようだ。

ゾゾタウンは04年に始めたサービス。ユナイテッドアローズやビームスなど若者に人気のブランドを集め、衣料のネット購入を普及させた。「楽天では服は買わないけどゾゾなら買う」(東京都内の女子大生、21)と20~30歳代の支持を得る。

とはいえ、衣料品のネット通販自体はもはや新しくなく、むしろ脅かす存在が目立ってきた。一つはネット通販大手だ。

3月に開かれた「東京コレクション」。気鋭のデザイナーが作品を発表する会場やサイトで目に付いたのが「アマゾン」のロゴだった。アマゾンジャパン(東京・目黒)が16年10月から冠スポンサーとなったためだ。

「ファッションは世界でも最も売り上げが伸びている分野の一つ」(アマゾンジャパン幹部)。楽天も16年に専用サイト「楽天ファッションスクエア」を開設した。大手が本気を出せば、強力なライバルとなる。

もう一つが、ゾゾタウンに出店する大手アパレルが自社のネット通販を広げていることだ。例えば、オンワードHDは「成長戦略のコアだ」(保元道宣社長)と会員制度の拡充を進める。現在出店する3900超のブランドの自社サイトが独り立ちすれば計算は狂う。

次の一手を打とうとはしている。前沢友作社長は28日の説明会で、計画してきたスタートトゥデイ独自の衣料品ブランドについて「17年度中に実現する」と明言した。ただ、これは従来担いできた人気アパレルと利害がぶつかるもろ刃の剣だ。

15年12月に始めた古着仲介「ゾゾフリマ」も最大手「メルカリ」の牙城を崩せず、6月末にサービスを終える。業績の伸びと比例するように、克服すべき課題は鮮明になっている。(鈴木慶太)

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