ダイハツ社長に奥平氏、日野自は下氏
トヨタ自動車が主要グループ企業のトップ人事を固めた。ダイハツ工業の社長に奥平総一郎専務役員(60)を派遣し、日野自動車の社長に下義生常務役員(58)を充てる。自動車業界でIT(情報技術)企業などを交えた競争が激しくなるなか、それぞれの分野に通じた人材を適材適所で配置して、グループの総合力を高める。
奥平氏はトヨタの主力小型車「カローラ」の開発責任者を務めるなど、小型車の開発に明るい。2014年からは中国や東南アジア諸国連合(ASEAN)の技術責任者を務めており、新興国事業の強化が課題になっているダイハツのトップにふさわしいと判断した。
13年に就任したダイハツ生え抜きの三井正則社長(66)は16年、トヨタの完全子会社になることを決断した。技術競争の激化や国内市場の縮小に対応して生き残る道筋をつけた。
日野では6月、トヨタが子会社化した01年以降で初となる生え抜きの社長が誕生する。下氏は日野で北米事業などを担当し、16年4月からはトヨタで常務役員を務めている。1年ぶりに日野に復帰し、多目的スポーツ車(SUV)や環境技術を軸にトヨタとの連携を強化する。トヨタ出身の市橋保彦社長(64)は会長に就く見通しだ。
奥平 総一郎氏(おくだいら・そういちろう)79年(昭54年)東大工卒、トヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)入社。08年常務役員、13年専務役員。愛媛県出身。
下 義生氏(しも・よしお)81年(昭56年)早大理工卒、日野自動車工業(現日野自動車)入社。11年執行役員、16年トヨタ自動車常務役員。東京都出身。