2018年9月22日(土)

ウーバー、日本で出前サービス 市民が「足」に

2016/9/28 20:43
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 シェア(共有)エコノミーの波が「出前」にも広がってきた。配車アプリ大手の米ウーバーテクノロジーズは28日、飲食店の料理宅配サービス「ウーバーイーツ」を29日に日本で始めると発表した。ウーバーが仲介し、配達員として登録する一般の人が料理を届ける。消費者は自宅や職場で気軽に飲食店の料理を楽しめる。小包などの宅配サービスに発展し、配送会社と競合する可能性もある。

 ソファでくつろぐ若者がスマートフォン(スマホ)のアプリで精進料理店の弁当を注文する。時を置かず自転車で男性が届けに来る。ウーバー日本法人が都内での記者会見で披露した映像では、配達員が街中を走り回る様子が強調されていた。

まず約1000人の配達員が登録したという(配達のイメージ)

まず約1000人の配達員が登録したという(配達のイメージ)

 カナダ・トロントを手始めに昨年12月に始めたサービスで、パリやロンドンなど7カ国33都市に広がっている。注文を受けてから届けるまでの時間は平均34分という。

 店員ではない人が自分の自転車や原付きバイクでアプリの指示に従って届ける。働くのはいわば「暇な時間」。高橋正巳社長は「空き時間を生かす新しい仕事のスタイルを提供する」と語った。

 飲食店は注文が入るとウーバーのシステムを通じて近くの登録者に配達を依頼する。店員や配送車両を確保する必要はない。開始時の登録配達員数は約1千人という。

 ウーバーは自家用車による有料送迎の仲介サービスで成長したが、日本では制限されている。ただ、今回の宅配サービスは自転車や原付きバイクで料理を運ぶため、規制に引っかからない。

 配送地域は東京都渋谷区と港区の一部。注文できる飲食店は和食、中華、イタリアン、焼き肉など150店以上。高橋社長は「提携先の6割以上は宅配を初めて手がける」と説明する。順次、対象地域を拡大する。

 アプリを通じて料理の準備や配達の状況がわかる。クレジットカード決済で現金のやりとりはない。配達料は当面無料だが、今後は徴収する方針。収入はウーバー、飲食店、配達員で分ける。

 普及のカギを握るのは「運ぶ品質」だ。配達員になるには身分証明や説明会の受講が必要だが、作った直後の見栄えや質を落とさず届けるには、それなりの経験がいるだろう。ウーバーは飲食店と消費者が配達員を評価する仕組みを導入するが、料理をひっくり返すなどのトラブル発生時の補償問題は基本的に店側と配達員に委ねるという。

 料金の配分も課題だ。英主要メディアは8月、ロンドンで利益配分が少ないと訴える配達員が相次ぎ「ストライキ」も計画されていると報じた。ウーバーは配分比率を公にしておらず、透明性を高めないと事業拡大のネックになりかねない。

 ウーバーは世界の新サービス利用実績を公表していないが、配車サービスが急拡大したことを考えると、その潜在力は侮れない。日本で築く配達員ネットワークを料理以外の配送に生かす可能性もある。ある陸運大手の幹部は「ウーバーが新たな競合相手になるかもしれない」と危機感を示す。(花田亮輔)

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