キリンHD、企業統治体制を強化 春からの新経営体制発表
キリンホールディングス(HD)は28日、今春からの新たな経営体制を発表した。3月末で三宅占二会長(68)が退任する一方、社外取締役を増員し、資生堂の岩田喜美枝顧問(68)ら2人が新たに就任する。三宅会長が務めていた取締役会の議長職も社外取締役に委ねることで、外部の視点による企業統治(ガバナンス)体制を強化する。
キリンHDは9人いる取締役のうち、社外取締役を1人増員して4人とする。岩田氏は同社としては初の女性取締役となる。三宅会長の後任の取締役会議長には富士ゼロックス元社長の有馬利男氏(73)が就く。
キリンHDは同日、傘下の清涼飲料大手、キリンビバレッジの社長にグループ会社である小岩井乳業の堀口英樹社長(54)が3月末に就く人事も発表した。堀口氏は国内外の子会社で収益構造改革で成果を挙げており、その経験をビバレッジの経営に生かすことが期待される。
キリンHDの2015年12月期の連結業績は、不振が続いていたブラジル事業で約1140億円の特別損失を計上したことにより純損益が560億円の赤字となり、上場以来初の赤字に転落する見通しだ。16年から新たな中期経営計画が始まったことを契機に経営陣の刷新や、外部の目によるガバナンス体制強化を進め、グローバルでの成長を目指す考えだ。
堀口 英樹氏(ほりぐち・ひでき)85年(昭60年)慶大商卒、キリンビール入社。09年米フォアローゼズディスティラリー社長、14年小岩井乳業社長。神奈川県出身。
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