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日立、米3大学と次世代原子炉を共同研究

日立製作所は28日、使用済み核燃料の中でも有害度の高い超ウラン元素(TRU)を燃料に使う沸騰水型軽水炉の開発で、米3大学と共同研究を始めたと発表した。2016年3月まで性能や安全性を評価する。開発が順調に進めば、30年代の実用化を見込んでいる。

米マサチューセッツ工科大学、ミシガン大学、カリフォルニア大学バークレー校と協力する。

TRUは使用済み核燃料の数%を占める。開発を目指す新型軽水炉は使用済み核燃料から取り出したTRUを燃料に使い、燃料に使ったTRUは1年で約9%減るという。従来の沸騰水型軽水炉2基に対して新型が1基あれば、使用済み核燃料のTRUを増やさずに済む。

通常の使用済み核燃料は、天然資源のウラン鉱石と同程度まで有害度を下げるのに約10万年かかるといわれる。TRUを取り除いた使用済み燃料なら300年ほどに短縮でき、使用済み燃料の処分場の面積も約4分の1に減らせるという。

政府は長期停止中の高速増殖炉もんじゅ(福井県)を改造し、TRUを燃料にして毒性を低くする構想を持っている。だが高速増殖炉は液体ナトリウムで炉心を冷却する技術が確立しておらず、もんじゅは運転再開のめどがたたない。日立が開発に取り組む軽水炉は従来の原発の発展形で水を冷却材に使うため、もんじゅに比べて実現の可能性は高いとみられる。

国内では再処理工場が未稼働のためTRUは生産されておらず、国内で新型軽水炉が稼働するかは不透明。新興国では再処理工場を加えた「核燃料サイクル」を進める機運もあり、海外で需要が拡大する可能性がある。

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