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武田薬品の株主総会、長谷川氏退任や外国人経営陣への反応は

武田薬品工業が大きく変わろうとしている。28日、定時株主総会を開き、クリストフ・ウェバー社長をはじめ9人の新しい取締役を選任。実力者で社長や会長を14年つとめた長谷川閑史氏が相談役に就任することも決まった。総会では外国人中心の布陣や研究開発体制の刷新などで激化する競争に対応する方針を宣言したが、株主たちはどうみたのか。聞いてみた。

●長谷川氏の退任

「長谷川氏を見に来るのを毎年楽しみにしていたのだが」(京都市在住の60代女性)

「長谷川氏が社内で経営幹部の育成をしたのか不安だ」(東京都在住の武田OB70代男性)

長谷川氏については株主の間でも好き嫌いが分かれる。総会中、自身の相談役就任や経営責任を巡り厳しい質問が相次いだ。ただ「(業績低迷で)株主の期待に応えられず責任は痛感している。しかし放り出すのはそれ以上の無責任。ウェバー社長に武田の立て直しを託し、ようやく回復基調になったので自ら退くことを決めた」と自身の言葉で説明した。

一方で武田は、ウェバー社長名で、長谷川氏の相談役就任について、株主に理解を求める一通の手紙を送付した。報酬減額や社用車をつけないなどとする内容で「手紙は不要だった。ぎくしゃくした人間関係をあからさまにしただけだ」(大津市の60代男性)との声もあった。

●外国人中心

長谷川氏に加え、これまで取締役としてナンバー3だった本田信司氏も退任する。社内取締役4人のうち、3人は外国人となり、幹部の国籍は多様だ。英語での答弁が多く「同時通訳のイヤホンの着脱に忙しく、距離を感じた」(神戸市の70代男性)と話す株主もいた。

言語の問題だけではない。ウェバー社長は「非常に多彩ですばらしいチーム」と自賛したが「最後に日本のことを考えるのは日本人では」(大阪府在住の70代男性)との指摘もあった。

●研究開発

「大型の買収だけでなく、自社開発力を強化してほしい」(京都市在住の50代女性)

「武田は創薬から逃げている」(奈良県在住の80代女性)

武田は昨年から、日米の拠点を中心に据える研究開発拠点の再編を実施しているが、株主からは研究開発力への不安が率直に語られた。湘南研究所(神奈川県藤沢市)の近くに住んでいるという株主は「神奈川県の資金や藤沢市の税減免などを受けている施設。そこで研究者の大規模な合理化や配置転換をするというのはどうなのか」などと質問していた。

●大衆薬事業

総会で大衆薬事業への質問は皆無だったが、総会に訪れた株主へのお土産は栄養ドリンク剤「アリナミン」3本。今年4月に大衆薬事業を全額出資子会社として分社。売却の噂もあるが「一般の人の武田のイメージはアリナミン。新薬に集中するのは良いが、大衆薬はブランド戦略上、持ち続けてほしい」(大阪市在住の60代女性)との声もあった。

学生の就職人気ランキングで、武田は国内の競合他社の後じんを拝している。「武田が学生にとって魅力がないという意見には賛成できない」とウェバー社長。自身が最も強調するように利益率の引き上げがその最良の処方箋になるだろう。

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