東芝株急落、時価総額5600億円消滅 シャープに抜かれる

2016/12/28 12:17 (2016/12/28 16:11更新)
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東芝株への売りが止まらない。28日の東京株式市場で東芝の株価は制限値幅の下限(ストップ安)となる前日比20%安まで下落。27日からの2日間で時価総額およそ5600億円が吹き飛んだ。米国の原子力発電事業で数千億円規模の減損損失が出る可能性があると27日に発表したことで、経営再建の遅れや財務悪化への懸念が強まっているためだ。28日には、業績回復への期待感から株価が上昇しているシャープに時価総額で抜かれた。

■2日間の下落率30%

東芝株は売り気配で始まり、取引開始から30分弱がたった午前9時28分に制限値幅の下限にあたる20%安の311円60銭を付けた。その後も売り注文が膨らみ続け、取引終了まで売り気配のまま推移した。株価は前日も12%下げており、2日間の下落率は30%に達する。

時価総額は約1兆3200億円と、急落前の26日に比べて5600億円近く減った。電機大手8社の中では、NEC(約8000億円)に次いで時価総額が小さかったシャープが業績期待から時価総額を急回復させ、28日は1兆3500億円強と6年8カ月ぶりの水準を回復。東芝は2009年6月以来、およそ7年半ぶりにシャープに抜かれた。

株価急落の背景には、減損計上で脆弱な財務体質が一段と悪化しかねないとの懸念がある。減損額の「数千億円」がどの程度の規模になるのかがわからないことも、市場の不安に拍車をかけている。

もともと、東芝の財務の健全性を示す自己資本比率は7%台と低く、製造業の健全性の目安とされる20~30%を大きく下回る水準だった。それでも、為替の円安や半導体事業の好調で今年度末には自己資本が4200億円と1000億円程度上積みされるとの見方が広がっていたが、もし減損額が大きければ自己資本は再び大きく目減りすることになる。

■資本増強策がカギに

金融機関との融資枠契約が残っていることもあり、運転資金がすぐに枯渇する可能性は低そう。ただ、自己資本が目減りすれば、信用力が低下し、格付け機関の判断や金融機関からの融資の条件にも大きく影響する。当面は「(資産売却や増資といった手法を通じた)資本増強が喫緊の課題となる」(SMBC日興証券の伴豊チーフクレジットアナリスト)。

東芝は特設注意市場銘柄に指定されていることもあり、当面は公募増資を使った資本増強は難しいとみられる。ただ、指定が解除される前にも、「金融機関からの資本支援やハイブリッドローンの資本への転換など様々な選択肢を模索してる可能性があってもおかしくない」(伴氏)。資本増強の道筋がみえるまで、当面は東芝株を敬遠する動きは続く可能性がある。

(富田美緒)

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