日清食品HD、ブラジル事業で出資拡大 味の素の持ち分買収
日清食品ホールディングス(HD)は27日、味の素と折半出資するブラジルの即席麺メーカーを完全子会社化すると発表した。味の素の持ち分を325億円で買収する。即席麺事業を自社で手掛けることで、シェアの一段の拡大を目指す。
日清味の素アリメントス(ブラジル)の味の素の全持ち分を10月30日付で買い取る。1975年から共同出資会社となり、味の素が販売とマーケティング、日清食品HDが開発や生産を担ってきた。日清ブランドは即席麺でブラジルの約65%のシェアを持つ。
これまでの実績を踏まえ、単独での販売が可能と判断した。生産から販売まで一貫した体制に切り替え、即席麺市場での収益拡大を目指す。
ブラジルは年間約24億食の需要があり、今後は北東沿岸部でシェアを伸ばす。日清食品HDはブラジル事業の強化などで、26年3月期までに売上高に占める海外比率を50%超にする目標の達成を目指す。
一方、味の素はブラジルで調味料やインスタントスープなどを消費者や外食産業向けに販売している。即席麺事業の共同出資を解消することで、自社ブランドの調味料などに集中して成長を加速させる。
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