音や動きも企業の「顔」に 新商標「アジノモト♪」など43件

2015/10/27付
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 音声や動画といった新しい形態の商標登録が始まった。特許庁が27日発表した第1弾では味の素がCMで流す自社名の音声や東宝が映画の上映前に映す動画などが認定された。受け付け開始から半年間で1千件を超えた出願件数に対し、第1弾の認定は43件と狭き門。模造品対策での効果を期待する声はあるものの、「企業の新しい顔」の活用はこれからの課題だ。

 栄養ドリンク「リポビタンD」といえば、「ファイトー、イッパーツ」の掛け声。この掛け声で新商標の登録が認められた大正製薬は「製品と結びつきの強いキャッチコピーを守るために出願した」という。

 味の素は年間7千回以上放送するというテレビCMでおなじみの「アジノモト」の音声が新商標に認定された。「企業ブランドを音でも商標登録することで積極的にブランド価値をアピールしていきたい」と意気込む。

 日本では従来、文字や図形、立体などが商標とされてきた。欧米に追随する形で「音」「色彩」「動き」など5種類の商標登録が4月から可能となり、特許庁への出願は10月23日までで計1039件に達している。

 出願件数が423件と最も多い色彩は第1弾の認定がゼロ。「色彩のみで違う製品と識別するのは難しい」(特許庁)ため、審査に時間がかかっているという。

 音の認定では明暗が分かれた。伊藤園の「おーいお茶」など音声の多くが認められたのに対し、「正露丸」の大幸薬品のトランペット演奏など音のみはほとんど見送られた。窪田法律事務所の加藤ちあき弁理士は「音の受け止め方は人によって異なり、認定のハードルが高い」と指摘する。

 企業にとっての商標登録は自社のブランドを守る意味合いが濃い。新商標では動画などの動きやデザイン上の模様や色の「位置」も対象となり、模造品対策での効果を期待する声は多い。

 映画の上映前に流す動画の企業ロゴが新商標の認定を受けた東宝は「模造品を防ぐことも狙いのひとつ」という。ジーンズメーカーのエドウイン(東京・荒川)は模造品対策として、ポケット横につける赤いタグの位置を商標登録した。

 北海道が地盤の中堅コンビニエンスストア、セイコーマート(札幌市)は店舗看板のデザインを新商標に登録した。理由は「バブル柄も含めた看板全体のデザインが顧客に店を識別してもらう重要な商標」だからだ。

 「商標登録は目的ではない。認定後にマーケティングやブランド戦略にどう活用するか」。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの肥塚直人主任研究員は指摘する。

 欧州では靴ブランドの「クリスチャン・ルブタン」が靴底の赤色を商標登録し、競合ブランドとの違いを明確にしたことで消費者の支持を獲得している。新商標をどう生かすのか知恵が求められている。(遠藤邦生)

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