2019年5月24日(金)

会計ソフトの特許訴訟、地裁はマネーフォワードに軍配

2017/7/27 16:46
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クラウド会計ソフトのfreee(フリー、東京・品川、佐々木大輔社長)が同業のマネーフォワード(東京・港、辻庸介社長)に対して起こした特許侵害訴訟の判決が27日、東京地裁であった。沖中康人裁判長はマネーフォワードの特許侵害を認めず、同社の会計ソフトの提供・販売を差し止めを求めるフリーの請求を棄却した。

27日、東京地裁の判決を受けて都内で記者会見するマネーフォワードの辻社長(中)

同日記者会見したマネーフォワードの辻社長は「提訴された後は心苦しい日々だったが、無事に当社の主張が認められた。これを契機にユーザーに価値を提供することに集中したい」と安堵の表情を見せた。

訴訟はフリーが2013年に発売した会計ソフトの特許を巡るもの。銀行口座の明細情報から資金の出入りをネット上で自動仕訳する。マネーフォワードが16年8月、自動仕訳機能を強化したことで、フリーは「特許侵害している」として同年10月に東京地裁に提訴した。これに対して、マネーフォワードは「自動仕訳は機械学習を利用しておりフリーの技術と異なる」と主張していた。

東京地裁は裁判官が非開示文書を閲覧して開示の是非を判断する「インカメラ審理」と呼ばれる手続きを採用し、迅速に審議を進めた。一般的な知的財産訴訟の審理期間は平均14カ月だが、今回の訴訟は9カ月で終結した。森・浜田松本法律事務所の三好豊弁護士はマネーフォワードが提出した資料について「相当説得力があり、同社も自信を持っていたのではないか」と分析する。

クラウド会計ソフトの分野で両社は弥生に次ぐ2位を争っている。自動仕訳は顧客獲得のために重要な機能で、特許訴訟が長引けばマネーフォワードの事業拡大への影響も懸念されていた。フリーは「判決内容を吟味し、控訴等の必要な対応を検討する」としている。

金融とIT(情報技術)を融合した「フィンテック」などの新産業における競争はさらに激しさを増している。三好弁護士は「同様の訴訟が再び起きる可能性もある」と指摘している。

(吉田楓)

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