キリン豪子会社、インベブのライセンス販売終了 コロナなど
キリンホールディングス(HD)は27日、オーストラリア子会社ライオンが、ベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)から輸入している「コロナ」などのビールのライセンス販売を終了すると発表した。これを受け、ABIから解約金として最大3億豪ドル(約230億円)を受け取る。ライオンは販売量の約1割を占めているブランド群を失うことになる。
キリンHDは同日、直近の為替レートで換算すると207億~249億円の特別利益を16年12月期に計上する見込みだと発表した。
ABIとライセンス契約しているのは「コロナ」のほか「ステラ・アルトワ」「バドワイザー」など10種類のブランドの輸入ビール。9月末に販売を終了する。ビール世界最大手のABIは同2位の英SABミラーと統合交渉を進めており、今後はSABミラーの豪子会社がABIからの輸入ビールの販売を担うとみられる。
ライオンはオセアニア地域で飲料事業を展開している。15年の売上高は4387億円でオーストラリアでは最大のシェアを握る。キリンHDは今後、ABIからの解約金を主力ブランドの「フォーエックス・ゴールド」や人気が高まっているクラフトビールなどへの投資に回す考えだ。