2018年9月24日(月)

アップル、「中国リスク」露呈 4~6月も減収へ

2016/4/27 11:27
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 米アップルが抱える「中国リスク」が露呈した。26日に発表した2016年1~3月期連結決算は中国における端末販売の不振などから前年同期比で03年1~3月期以来、13年ぶりの減収となった。中国では一部のサービスが遮断されるといった報道もあり、別の不安材料も浮上。アップルにとって米国に次ぐ、2番目に大きい市場に成長してきた中国だが、その経済や政策の読みにくさが今後の経営のリスクとなりそうだ。

■下がる更新率

アップルの「iPhone6sプラス」(手前、サンフランシスコ)=共同

アップルの「iPhone6sプラス」(手前、サンフランシスコ)=共同

 1~3月期の売上高は前年同期比13%減の505億5700万ドル(約5兆6300億円)となった。中でも、中国(香港と台湾を含む)の売上高が前年同期の71%増加から26%の減少に転じたことが打撃となった。純利益は22%減の105億1600万ドルだった。

 この13年間、アップルは革新的な製品とサービスを相次いで打ち出し、業績を拡大させてきた。03年4月にはコンテンツ配信サービスである「iチューンズ・ストア(iTS)」を開始。07年6月には「iPhone(アイフォーン)」を投入した。当初は先進国を中心に展開してきたが、経済成長とともに新興国の市場も急拡大。けん引役となってきたのはほかならぬ中国だった。

 しかし、その中国も輸出型から内需型に経済構造を転換する中で、成長が鈍化。消費は一時的に息切れしている。これを受け、世界におけるアップルの端末販売は幅広く落ち込んだ。iPhoneの販売台数は前年同期比16%減の5119万台。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は「『6s』への更新率は『6』の時と比べて低い」と電話決算説明会で述べた。中国を中心とした世界経済の減速が色濃く表れている。パソコン「Mac」は12%減の403万台。タブレット端末「iPad」は不振が続き、19%減の1025万台だった。

 端末が不振な時こそ、サービスで稼ぎたいところだが、ここでも中国が不安材料となっている。米ニューヨーク・タイムズ紙は21日「アップルが中国のメディア管理当局からの要請で映画配信サービスの『iチューンズ・ムービー』と電子書籍サービス『iブックス』のサービスを停止した」と報じた。中国政府は3月に、外資系企業を中心にネットの出版物に対する規制を強化していた。

■CEOは楽観視

 クックCEOは中国について「長期的に楽観視している」と発言した。確かに減速したとはいえ、中国は依然として7%近い経済成長率を保っている。構造改革が完了すれば、さらなる高成長に回帰していく可能性は高い。

 ただ、当面は同社の業績を不安定にさせる材料になりそうだ。3月末に投入したiPhoneSEは16年4~6月期から業績に貢献し始めるが、アップルは同期について前年同期比13~17%の減収を予想する。中国の減速が尾を引く可能性が高いとみられるためだ。

 アップル製品の生産に関わる日本企業も無傷ではいられないだろう。例えばiPhoneではジャパンディスプレイやシャープは液晶パネルを生産。カメラ用画像センサーはソニー、半導体メモリーは東芝が供給する。世界のメガヒット製品であるからこそ、販売減速による部品メーカーへの影響は大きい。

(湯田昌之)

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