楽天が広告参入、電通と新会社 社長に元グーグル日本トップ - 日本経済新聞
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楽天が広告参入、電通と新会社 社長に元グーグル日本トップ

楽天は26日、電通と新会社をつくり広告事業に乗り出すと発表した。テレビの視聴データや、仮想商店街「楽天市場」など楽天の持つネットサービスの顧客データを組み合わせて、ターゲットを絞った広告出稿やプロモーションを企業に提案する。新会社の社長にはグーグル日本法人のトップを務めた有馬誠氏が就く。

新会社「楽天データマーケティング」の資本金は1億円で楽天が51%、電通が49%を出資する。8月中旬に設立し、10月1日に営業を始める予定。人数など規模は今後詰める。

楽天は仮想商店街や宿泊予約などのネットサービスで9千万人(IDベース)の顧客を持つ。一方、電通が得意とするマス広告ではテレビがインターネットにつながるようになり、個人の視聴履歴の追跡がしやすくなっている。

楽天の持つ消費者の購買データと、テレビの視聴履歴を突き合わせることで、テレビCMがどの程度、購買につながったかが推定できるようになる。これまでの視聴率をベースにしたCM出稿に比べて効率を上げられる。CMに加え、ネット広告や店頭でのプロモーションと組み合わせて、総合的なマーケティング施策を提案できる。

これまで楽天は楽天市場に出店する中小企業との取引が中心で、「大手企業とのつながりがなかった」(三木谷浩史社長)。新会社では電通の顧客を紹介してもらうなどして、大企業のマーケティング活動を支援する。

有馬新社長はヤフー日本法人に第1号社員として入社し、ネット広告事業を立ち上げた。グーグル日本法人の代表取締役も務めた日本のネット広告業界の第一人者だ。

楽天は豊富な顧客データを持ちながらこれまで、有効に活用できておらず、三木谷社長は「宝の持ち腐れ」だったと振り返る。広告最大手の電通と組み、有馬氏を迎えることで、データの価値をマネタイズ(収益化)する。有馬氏も「マーケティング業界のイノベーションを起こしたい」と意欲を示した。

楽天はネット通販の顧客基盤を生かし、クレジットカード事業を開始10年で国内有数の規模に育てた。三木谷社長は今回の新会社も「10年後には日本の広告業界をリードする会社にしたい」と語った。ただ、顧客データの豊富さを維持するには、米アマゾン・ドット・コムに押され気味となっている本業のネット通販事業を改めてテコ入れすることが必要になる。

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