フォード、日本から年内撤退 販売ピーク時の5分の1に
米フォード・モーターは年内に日本市場から撤退する。フォードは2020年に全世界で14年比5割増の940万台の販売を目指し、アジアなど新興国を強化する方針を打ち出していた。ただ日本での販売はピークとなった1996年に比べ5分の1に落ち込んでいた。市場の縮小に加え日本メーカーとの競争も激しく、成長が見込める中国などに経営資源を振り向ける。
フォードの販売店は国内に約50カ所あるが、2015年の販売台数は4968台で、ここ数年は5000台を下回って推移。世界販売(632万台、14年)の0.1%に満たない。
北米販売の比重が高かったフォードはアジアや欧州などを強化する方針を打ち出し、右ハンドルにも対応した世界戦略車を開発、14年2月に日本にも投入していた。だが、同社によると「投資に見合う成長が期待できない」と判断、インドネシアと併せ撤退する。
フォードは1925年に日本で生産を開始したが、その後輸入販売に切り替えた。79年に業績が悪化したマツダに出資し、社長を送り込むなど緊密な提携関係を築いていた。ただ08年の金融危機の影響で自社の経営が悪化し、15年末に資本提携を完全に解消した。
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