企業ブランド、首位アップル2位グーグル不変
米社調査、日本勢はトヨタの7位が最高
ブランドコンサルティング大手の米インターブランドは25日、グローバルに展開する企業ブランド価値を2017年版ランキングを公表した。海外売上高比率が30%を超える「グローバルブランド」では、上位100ブランドの価値が昨年より4.2%増加し、総額1兆8717億ドルとなった。首位の米アップルと2位の米グーグルは5年連続で順位を維持した。日本ブランドの最上位はトヨタ自動車の「トヨタ」で7位、14年連続で自動車ブランドのトップとなった。
調査は財務分析やブランドが消費者の購買意欲に与える影響などをもとに、ブランド価値を金額に換算。00年から毎年「ベストグローバルブランド」を作成している。
首位のアップルは1842億ドル(前年比3%増)。米国内の先端製造拠点への10億ドル規模の投資や人工知能(AI)スピーカー「ホームポッド」といった新しいハードウエア開発に加え、会話型AI「Siri(シリ)」などソフトウエア開発でイノベーションを続けていることが評価された。
グーグルは6%増の1417億ドル。ブランドの一貫性が高く、幅広い分野で市場環境に柔軟に対応。今後も家電製品などの展開がブランド強化につながっていくとした。
8位の米フェイスブックは昨年の15位から大きく順位を上げ、前年比48%増の482億ドルだった。交流サイト(SNS)でブランドの強さを示し、AIや仮想現実感(VR)分野でも長期的な競争優位を保っているという。
アジア企業では、韓国サムスン電子の「サムスン」が前年の7位から6位に浮上し、トヨタを抜いてアジア勢の首位に立った。一方、トヨタは6%減の503億ドルで5位から7位に順位を落とした。トヨタは北米での販売台数が伸び悩んだが、コンセプトカーの発表や20年の東京五輪・パラリンピックに向けた長期的なブランド投資などが評価されたという。このほか日本勢はホンダが20位(3%増、227億ドル)、日産自動車の「ニッサン」が39位(4%増、115億ドル)と続いた。
インターブランドジャパンの並木将仁社長は「環境変化にしっかり対応したブランドの順位上昇が目立った。人を引きつけ、イノベーションを生み出し続ける一貫した技術を持つ企業のブランド力が強い」としている。