三陽商会は25日、新しい自社ブランドのコートを9月下旬に発売すると発表した。中期経営計画で示した成長戦略の具体策の第1弾となる。同社は英「バーバリー」とのライセンス契約が切れて売り上げが低迷。「SANYO」の名を冠したブランドを育てることで、ライセンスに頼らずに稼ぐ体質を目指す。
新しいコートは「Kiminori Morishita+Blue Flag(SANYO)」。デザイナーの森下公則さんと組み、男性と女性向けでそれぞれ3つの型を用意する。価格は税抜き7万3千~8万9千円。国産の素材を使って青森県内の自社工場で縫製し、セレクトショップや専門店などで販売する。ファッション感度の高い30代前後の若年層の需要取り込みを目指す。
三陽商会は「バーバリー」を冠したライセンス商品で成長してきたが、バブル崩壊や百貨店の顧客離れなどで売り上げが低迷。さらに2015年にはバーバリーのライセンス契約が切れ、16年12月期決算は113億円と過去最大の最終赤字に陥った。
2月に発表した中期経営計画では、柱の一つに自社ブランドの育成を掲げていた。