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日本電産、買収53件目 永守流に3つの秘訣

日本電産は25日、独家電部品大手セコップグループを1億8500万ユーロ(約220億円)で買収すると正式発表した。日電産の企業買収は今回で53件目。東芝や日本郵便など海外買収に伴う巨額損失の発生が相次ぐなか、着々と買収による事業拡大を進める永守重信会長兼社長は「価格、経営への関与、相乗効果」の3つを買収戦略のポイントに挙げた。

永守氏は「52回の買収で一度も減損損失を計上していない」と自信をのぞかせ、「日本企業による海外のM&A(合併・買収)の88%は失敗している。10%は成功でも失敗でもどちらでもない。成功しているのは2%だけ」との見方を示した。

将来の収益力などを見込んで買収額を上乗せしている場合、期待通りにいかずに価値が下がると「のれん代」を損失に計上する必要がある。永守氏は買収戦略では「高値づかみしないことが大切だ」と強調する。

価格と並んで重視するのがPMI(買収後の統合作業)と経営への関与。「買収は目利きと同じ。例えば工場の現場が汚い、社員教育がなっていない、といった会社は管理を見直せばもうかるようになる」と話す。

今年、フランス企業を傘下に収めた際には2日後に同社を訪問し従業員に方針を説明した。収益に見合った投資をする「家計簿経営」など徹底したコスト管理のノウハウを伝授。生産現場にも目を光らせ収益改善を後押しする。

ポイントの3つ目が買収のシナジー(相乗)効果だ。日電産は主力のモーター技術を買収先の技術と組み合わせ、複合部品(モジュール)に仕立てて家電や自動車向けの需要を開拓している。例えば15年に買収したポンプメーカーも単品では業績が伸び悩んでいたが、中核部品のモーターを日電産が提供し顧客開拓につなげた。

懸念があるとすれば買収の規模だろう。ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真代表は「これまでは小粒の案件が中心だったが、大きな案件に手を出すようになると心配」と話す。17年には産業用モーターの米エマソン・エレクトリックの一部事業を1225億円で買収するなど、目標とする売上高2兆円とさらにその先を見据えた大型案件も手がけ始めている。買収巧者の真価が問われる。(渡辺直樹)

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