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節約疲れ? 外食健闘、「ハロウィーン」も一役

消費者の間で「節約疲れ」の気配が漂ってきた。日本フードサービス協会が25日に発表した外食産業の10月の売上高は2カ月連続で前年同月よりも増えた。本来ならば生活防衛のために真っ先に削られるはずのファストフードやファミリーレストランといった外食産業の健闘。「節約疲れ」した消費者が、ハロウィーンのイベントを機に財布のひもを緩めた可能性がある。

ファストフードは9%増

外食産業の10月の売上高は前年同月比5.3%増と9月に続いて前年実績を上回った。なかでもファストフードが9%増と大幅増。ファミレスも3%増だ。今年の10月は前年に比べて休日が1日多かったことが「約2%の押し上げ要因」(同協会)というが、それを考慮してもなお、プラス圏を確保した要因は何か。

同協会の担当者は「外食に出かける回数自体は減らさず、3回に1回は低価格店に行くようにするなど、『無理しすぎずに少しだけ節約したい』という人が増えているのではないか」(同協会)と分析する。これまでディナーなどを食べるレストランに行っていた人がファミレスへ、ファミレスに行っていた人が商業施設のフードコートやファストフードへと業界内では消費者の移動があるものの、全体でみれば大きな減少になっていないという見立てだ。

外食各社はハロウィーンキャンペーン

さらに、「理由やきっかけさえあれば外食や消費にもお金を使いたい」という人も多かったのかもしれない。10月は恒例行事となりつつある「ハロウィーン」に向けて外食各社もキャンペーンや限定メニューなどを相次ぎ投入した。すかいらーく傘下の「ガスト」では9月末から10月にかけて「ハロウィンキャンペーン」として宅配を利用する人に飲料などのサービスを実施。既存店売上高は前年比3%増えた。日本マクドナルドも「ハロウィン魔女ポテト」として、ハロウィーンのイメージ色に合わせた紫芋のソースをかけたメニューなどを期間限定で販売し、同2ケタ増の回復が続いた。

日本記念日協会によると、ハロウィーンの経済効果は1300億円以上と、いまやバレンタインやホワイトデーをしのぐ一大イベントだ。そこへ各社のキャンペーンや限定商品が投入されたことで、消費者が普段はやや固く絞っていた財布のひもを緩め、外食や買い物で「プチぜいたく」を楽しみたいという気持ちが広がったとしても不思議ではない。

明るいムードは続くのか。カギを握るのは次なるビッグイベントの「クリスマス」でどこまで"節約疲れ"の消費者を刺激できるかだ。

潜在的な消費意欲はある。博報堂生活総合研究所によると、20~69歳の男女1500人に「来月、モノを買いたい、(外食などを含む)サービスを利用したいという欲求」を100点満点で聞いたところ、今年12月は合計で56.1と前月分に比べて9ポイント超上昇し、12年4月の調査開始以来2番目に高い水準になったという。

ブラックフライデー商戦が次の焦点

25日は海外では感謝祭明けの年末商戦が本格的に始まる「ブラックフライデー」にあたる。もともとは米国の小売業界のイベントだが、今年は日本でも25日からイオンやおもちゃ大手の日本トイザらスがセールを始めるなど、ブラックフライデーに合わせてクリスマス需要を前倒しで取り込もうという動きが出てきた。

ただ、家計を取り巻く環境は決して明るくない。食品スーパーでは野菜が昨年より2割前後値上がりし、冬のボーナスも増えそうにない。目新しいサービスやメニューで消費者をつなぎとめられるか。外食や小売り各社の先行きは、戦略次第で大きく明暗が分かれそうだ。

(富田美緒)

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