不正なネット広告防止 KDDI系がVB買収
KDDIグループは25日、不正なネット広告を検出する技術を持つベンチャー(VB)のモメンタム(東京・港)を買収したと発表した。株式取得額は数十億円とみられる。ネット広告市場では最近、機械により不正に閲覧数を水増しする「広告詐欺」が横行し問題になっている。KDDIはVBの技術を取り込み、グループのネット広告事業を強化する。
KDDIは子会社のSyn.ホールディングスを通じて既存株主のVOYAGE GROUPなどから株式の過半数を取得し連結子会社にした。
モメンタムは機械学習の技術を活用して様々なウェブサイトのデータを解析。不正なサイトを抽出し、広告詐欺を未然に防止するサービスを提供する。Syn.ホールディングスは傘下の事業会社を通じてネット広告の配信事業を手掛けている。モメンタムの不正対策技術と連携させ、国内外でサービスを拡大する。
ネット広告詐欺は「アドフラウド」とも呼ばれ、実際に人が見ていないサイトに広告を表示させるなど不正な手口で広告料金をだまし取る。米国における2016年の被害規模は8136億円に上るとの試算もある。