2018年8月17日(金)

スマホの主役は液晶から有機ELへ IHS調べ、1年で5割増

2017/7/25 15:35
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 スマートフォン(スマホ)のディスプレーが液晶から有機ELに急速に切り替わっている。調査会社のIHSマークイットは25日、2017年の有機ELパネルの出荷金額が前年比53%増の216億ドル(約2兆4千億円)に急増すると発表した。今秋発売の米アップルの「iPhone」の一部に採用され、中国スマホメーカーも追従するため、市場が急拡大する見通しだ。

有機ELパネルは発光材料に電圧をかけて映像を映し出す

 IHSの予測では、スマホ向けディスプレーで今後5年間で有機ELパネルの市場は約3倍に拡大し、逆に液晶パネルの市場は14%減少する見通しだ。IHSシニアディレクターの早瀬宏氏は「スマホ向けでは有機ELの伸びしろは極めて大きい。需要に供給が追いついておらず、価格も当面下がらない」と分析する。

 現時点で有機ELパネルを安定供給できるのは韓国サムスン電子1社のみ。サムスンは毎年数千億円規模で設備投資を実行し、有機ELパネルの供給能力を拡充している。それでも供給不足が続いており、サムスンは先行者利益を享受する。

 10年から自社製スマホ向けに有機ELパネルを量産してきたサムスンに対して、2番手の韓国LGディスプレーはウエアラブル向けの超小型パネルのみ量産しており、スマホ向けは18年に開始する計画だ。3番手に付けるのは国を挙げて有機ELパネルの量産に資金を投じる中国勢。和輝光電(エバーディスプレー)、天馬微電子グループなどが歩留まり(良品率)向上に研究開発を続けている。

 1990年代に液晶でディスプレー市場を席巻した日本勢の存在感は薄い。IHSシニアディレクターの謝勤益(デイビッド・シア)氏は「日本勢はまだ試作段階で、量産化には時間がかかる」とみる。資金繰りに窮するジャパンディスプレイ(JDI)は自社での量産は難しく、シャープは基礎技術で後れをとる。

 アップルが号砲を鳴らし、スマホメーカーが雪崩を打って有機ELに移行する今、液晶に傾倒してきた日系メーカーは劣勢に立たされ、技術トレンドを読み誤った代償は数年単位で支払うことになる。新型ディスプレーの担い手は日本不在のまま韓中の戦いに突入しようとしている。

(細川幸太郎)

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