温暖化対策、最高評価の1割が日本企業 英NPO調べ

2016/10/25 15:00
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国際的な環境評価NPOである英CDPは25日、日本企業の温暖化対策についての報告書を公表した。トヨタ自動車ソニーなど22社が最高評価を得て、世界で最高評価の企業の約1割を占めた。ただ回答率は欧米よりなお低かった。パリ協定の発効後、環境対策は企業のグローバル戦略の鍵を握るが日本企業の間には温度差がある。

CDPは世界827の機関投資家(運用総額100兆ドル)の支援のもとで世界5千社以上を調査した。環境対策などを企業投資の判断材料とする「ESG投資」で、世界で最も影響力のある調査の一つとされる。日本の対象企業は500社。

環境対策や環境情報開示の状況などを集計して、AからDマイナスまでの8段階で評価した。最も優れたAリストに日本企業は22社が選ばれた。海外では米アップルや独BMW、韓国サムスン電子などがAリスト企業に並ぶなか、日本企業は健闘しているといえる。

ただ全体でみると課題は多い。日本企業500社のうち、回答率は53%。米国の65%などに比べて低い。回答企業のうち非開示の企業は23%を占める。「競合を気にして開示を横並びで避ける業種もみられる」(CDP)。環境対策の開示に消極的な日本企業はなお多い。

ESG投資にみられるように、世界では環境対策の開示が資金調達を左右するなど、企業の重要な経営課題となっている。温暖化対策の新たな国際的枠組み「パリ協定」を巡り、欧米諸国が早期批准に踏み切ったのは、経済界の強い要請が大きく影響したとされる。

一方、日本政府はパリ協定の批准が遅れている。「世界でビジネスする企業は政府の動きに関係なく、環境対策や開示に取り組んでいる。日本企業は二極化がみられる」とCDPジャパンの森沢充世ジャパンディレクターは指摘する。環境対策でも国内だけに目を向ける内弁慶では、世界に取り残される時代がやってくる。(榊原健)

◇Aリストの日本企業

住友林業、ソニー、トヨタ自動車、日産自動車横浜ゴムアサヒグループホールディングスキリンホールディングス日本たばこ産業、鹿島、川崎汽船、コマツ、セコム大成建設東芝戸田建設三菱電機ナブテスコ第一生命ホールディングス大東建託SOMPOホールディングスキヤノンコニカミノルタ

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