2019年4月23日(火)

日本信号、鉄道インフラを台湾・インドへ

2017/5/25 11:13
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鉄道信号大手の日本信号は、信号システムなどの交通インフラの輸出を拡大する。25日、台湾の幹線鉄道の電化工事を地元重電メーカーと共同受注したと発表した。インド西部の都市交通向けの信号システムなども受注。日本国内では鉄道設備の需要が伸び悩みつつあるため、今後の市場拡大が期待されている海外事業を収益の柱に育てる。

台湾の重電メーカー、士林電機と共同で台湾交通部鉄路改建工程局から変電・信号設備などの電化工事を一括して受注した。台湾の国鉄にあたる台湾鉄路管理局(台鉄)の南廻線、台東~潮州間(約120キロメートル)を電化する。日本信号は山岳部や長いトンネルがある同区間に適した列車検知装置や踏切設備などを納入する。

同社は1998年、台湾全島をカバーする列車集中制御装置(CTC)を一括受注し、2007年開業の台湾新幹線の信号システムも納入するなど台湾での事業を拡大してきた。南廻線の電化工事は年内に着工して21年に竣工する計画で、今後は「老朽化した設備更新などにも取り組みたい」(担当者)としている。

一方、新興国の都市交通向けのインフラ輸出も拡大する。5月、インド西部・アーメダバードの都市交通2路線の無線式信号システム(CBTC)を受注。ガンディナガール・アーメダバード都市鉄道公社に東西線(18駅)、南北線(15駅)の信号システムを導入する。

無線通信を利用するCBTCはケーブル類の敷設費用や運用コストが抑えられ、列車間隔も短くできるのが特長だ。欧州などで先行普及しているが、日本では東京地下鉄(東京メトロ)が22年度、丸ノ内線への導入を計画するなどにとどまる。日本信号は北京地下鉄にCBTCを設置するなど導入を広げており、海外の都市交通への導入拡大でシェア拡大を目指す。

日本国内では人口や新線開業の減少で鉄道インフラの需要が設備更新などにシフトしつつある。一方、新興国では交通渋滞の緩和策として鉄道や都市交通の開業が相次いでおり、日本信号は円借款事業などでの受注を積極化し、海外で事業を伸ばしていきたい考えだ。

こうした環境を踏まえ、政府も官民連携で鉄道システムの輸出に力を入れている。国際協力銀行(JBIC)などは22日、アルゼンチン国鉄が計画するブエノスアイレス周辺の路線向けに丸紅が日本信号製の自動列車停止装置(ATS)システムを導入すると発表。一方で、欧州や中国のメーカーとの競合も激化しつつあり、国際競争は激化している。日本勢が得意とする技術力に加え、現地事情に適したシステムの提案力や開発力などが鉄道インフラの輸出拡大には欠かせない。

(牛山知也)

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