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TASAKI、自由度高め海外へ MBO実施を発表

宝飾品のTASAKIが海外に本格進出するため、MBO(経営陣が参加する買収)の実施を決めた。非上場になり経営の自由度を高め、海外で出店攻勢をかける。経営不振で2008年には投資ファンド傘下に入り再建を果たした同社は海外でも輝けるか。

24日、MBOを実施し非上場化すると発表した。アジア系投資ファンド、MBKパートナーズグループのファンドが出資する企業が中心となりTOB(株式公開買い付け)を実施する。期間は27日から5月11日まで。1株あたりの買い付け額は2205円。23日終値(1550円)を42%上回るプレミアムを付けた。

TASAKI株は24日、MBOが報じられた午後になって急騰し、一時は前日比185円(12%)高の1735円と、16年12月以来約3カ月ぶりの水準をつけた。試算すると株式の取得額は315億円程度とみられる。買い付けの資金はMBKからの186億円の出資に加えて、三井住友銀行からも借り入れる。

「欧米で田崎真珠(TASAKIの前社名)の旗をたてることが最終目標だ」。伊グッチや伊フェンディなど高級ブランドを経て社長に就いた田島寿一氏は6年前にこう語っていた。ただ当時は中国製真珠の台頭で経営不振が続いており、周囲は夢物語とみていた。

再建でタッグを組んだのは、今回のMBOで連携するMBKパートナーズから転じた小川崇亨副社長だった。まず国内の店舗改革に奔走した。ホテル内中心から百貨店内の特選売り場や地方の一番店に出店先を変えた。

改革は実を結んだ。直近の16年10月期の国内売上高(小売価格ベース)は165億円と、10年の90億円から大幅に増え「ファッション感度の高い若い人も取り込めるようになった」(小川氏)。

海外でも中国や韓国、台湾で店舗改革を進め16年10月期に営業損益が黒字になった。次にめざしたのが高級宝飾品の本場、欧州だった。16年6月にパリの高級ホテル「リッツ パリ」に欧州初の直営店を開業。同年11月には英ロンドンに直営店を設けた。年内には米ニューヨークでも初の直営路面店を出す予定だ。

ただ欧米の一等地の賃料は高額で、出店にかかる投資費用もかさむ。先行費用によって一時的に収益が圧迫されることで、短期的な投資家の不満につながる恐れがあった。リスクを取り攻めの投資をするために選んだのが非上場化だった。

国内市場はインバウンド(訪日外国人)需要が一服し成長を見込みづらい。欧米でブランド力を高めれば世界各地で事業規模を広げる道が開ける。15年10月期の海外売上高比率は13%だが、将来は3分の1を欧米が占める体制をめざす。

富裕層が指名買いをするブランドを狙うTASAKI。世界と戦えるブランドをどう磨くか。新体制はMBOより思い切った改革が必要になりそうだ。

(原欣宏、山本紗世)

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