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東芝株で攻防 再建策にらみ強気派も台頭

東芝の株価が24日、東京株式市場で一時12%高と上昇し、時価総額も1兆円を回復する場面があった。終値も4%高の223.9円となり、17日に付けた直近の安値からは26%上昇した。同日の取締役会で半導体メモリー事業の分社化を正式決定したほか、同日午前に傘下の原子力子会社、米ウエスチングハウス(WH)について米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請を原子力事業を再建するための選択肢の1つとして検討していることが分かったとの報道があった。再建に向けた好材料とみた「強気派」が買いを入れるなど東芝株を巡る攻防が激しさを増している。

株主資本、急回復も

東芝は半導体メモリー事業の分社化のため3月30日に開催する臨時株主総会で株主の承認を受け、新会社を4月1日に発足させる。分社後の事業売却は「2017年のなるべく早い段階での決定を目指す」としている。

事業売却が進めば、ひとまずは東芝の財務改善につながる。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は「東芝の時価総額は1兆円ほど。半導体メモリー事業の評価額は2兆円といわれており、かなりポジティブな材料」とみる。JPモルガン証券の森山久史氏はリポートで「暫定的な試算」として、仮に半導体メモリー事業の価値が1兆5000億円で2017年度に50%を売却した場合、東芝の株主資本は1630億円に回復する可能性があると指摘する。

現時点では買い手候補として米ウエスタンデジタルや米マイクロン・テクノロジーなどの名前が挙がるが、半導体事業に力を入れていないIT(情報技術)企業などの中からも「メモリ半導体で世界のトップに躍り出る千載一遇のチャンスと捉えて買収を検討する企業もありそう」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の宮本武郎シニアアナリスト)との見方もある。

「止血」は終わるか

WHについて米連邦破産法11条の適用申請を選択肢の1つとして検討しているとの報道については「損失額が限定されれば、ポジティブな材料と受け止められる」(いちよしアセットマネジメントの秋野氏)とみる。東芝が国内外で展開する原子力事業については「原発事業を中核から外し、メンテナンスなど本体がリスクを負わないものに徹してくれるのが望ましいが、政府の戦略にも関わるので簡単ではない」(証券会社の日本株担当者)との見方もある。

24日は財務改善への期待から短期筋の買いが入ったほか、売り方の買い戻しも広がり、東芝株の商いは膨らんだ。売買代金では東京証券取引所第1部のすべての銘柄で東芝株が首位だった。短期、中期の業績への思惑から活発な売買が続いている。

ただ半導体メモリー事業の売却、WHの再建のいずれも途中経過の段階で、経営再建への道のりは長い。会計不祥事後も情報開示の遅れや原子力事業での損失に歯止めがかからないなど株主や投資家の信頼を裏切る行為が東芝の企業価値を大きく損なってきた。東芝が株式市場での信頼を取り戻すためには財務面での「止血」を急ぐとともに、予想外の巨額損失を生み出す土壌となったウミを出し切る必要がある。

(富田美緒、岸本まりみ)

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