ビザ、海外送金を即日で 企業向け切り込む

2016/10/24 11:38
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米クレジットカード大手のビザは、即日での海外送金を可能にする国際決済サービスを企業向けに来年から始める。取引参加者が互いの金融取引記録を保有し合う「ブロックチェーン」と呼ぶ新技術を活用する。これまで数日かかっていた企業間の国際送金の利便性を高め、銀行界が牛耳ってきた国際送金市場に切り込む。

「ビザB2Bコネクト」と名付けた金融ネットワークを開放する。企業は、このネットワークに参加する金融機関を介して海外にある相手先の企業に送金する仕組み。即時決済が可能になれば、企業はお金を受け取れないリスクが減るほか、お金を機動的に使って投資したりできるようになる。

新ネットワークはビザが出資するベンチャー企業の米チェーン(カリフォルニア州)と共同で開発した技術が核となる。チェーンは2014年の設立で、ブロックチェーンを使った様々な金融サービスを開発・提供している。創業からわずか2年で米シティグループなど大手金融機関から40億円以上の出資を受けている。

企業にとって海外送金は今なお非効率な業務の一つだ。現在は金融機関が顧客企業の依頼で海外に送金する場合、銀行間の国際取引のインフラを担う国際銀行間通信協会(SWIFT)を利用するのが一般的だが、手続きが煩雑でコストもかかっていた。ビザは新技術を武器に、SWIFTが独占する銀行の国際送金市場に挑むことになる。

仮想通貨でも使われるブロックチェーンを武器に既存の決済インフラを崩す新興勢力に銀行界も対抗する。

SWIFTは、昨年12月に国際送金を抜本改革する新たな枠組みを構築し、1~2年以内の実現を目指すと公表した。即日決済を可能にし、手数料も銀行間で開示して透明性を高めるという。日本の3メガバンクのほか、米シティバンクや英スタンダードチャータード銀行など世界70行以上の大手銀行が参加する。

ブロックチェーンの出現で、既存勢力を巻き込んだ新たな競争が激しさを増す金融業界。金融システムの刷新が進めば、企業や個人にとっての利便性も飛躍的に高まりそうだ。

(浜美佐)

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